【最果ての駅でずんどこパーリナイ】
ショウ:未成年組、列車に乗ってお買い物
ショウ:何も起きない訳がなく……
ユフィーリア:簡潔に10文字で
ショウ:助けてください
ハルア:ここどこ!!
ショウ:ハルさんは音声入力によって喋っているぞ
ユフィーリア:ご丁寧にどうも
ユフィーリア:どこにいるって?
ショウ:魔法列車に乗ったらうっかり眠ってしまったんだ
ショウ:到着したらこんな場所に
【長閑な草原とお山の田舎風景】
ショウ:どこだろうか
ハルア:分かんない!!
ユフィーリア:駅名は?
ユフィーリア:座標計算して迎えに行ってやるよ
ショウ:さいはて駅ってあるな
ショウ:本当に最果てにいるみたいだ
ユフィーリア:解散
ショウ:集合
ハルア:爆散!!
ユフィーリア:終わりですよ、終わり
ユフィーリア:まさか嫁と部下が揃って怪異に飲まれた
ショウ:怪異?
ユフィーリア:有名な話でな
ユフィーリア:魔法列車でうっかり眠ったら『さいはて』って駅に辿り着いて、二度と帰れなくなる話
ユフィーリア:親父さんに何て言えばいいんだ
ショウ:きさらぎ駅にしては長閑なんだ
ユフィーリア:どこだよきさらぎ
ショウ:さいはて駅と同じような話だ
ショウ:いわゆる異界駅と呼ばれるもので、同じく迷い込むと消息を断つって言う噂がある
ショウ:本当かどうかは分からないが、楽しくなってきちゃったな
ショウ:ウキウキ
ハルア:ショウちゃん楽しそう!!
ショウ:何しようか
ショウ:とりあえず線路に降りてみた
ショウ:悪いことをしている気分でドキドキしている
ユフィーリア:楽しんでるな、お前ら?
ユフィーリア:凄え面白いからそのまま実況よろしく
ユフィーリア:エドが隠してる秘蔵の麦酒開けよ
ショウ:怒られないか?
ハルア:仕方がないよ、ユーリだもん
ユフィーリア:次にやったら殺すとか言われてるけど知らね
ユフィーリア:飲むわ、飲み尽くしてやる
ユフィーリア:何か凄え発酵した味がするな
ユフィーリア:よく見たら消費期限が切れてやがった
ユフィーリア:騙された、あとで殺そ
ショウ:八つ当たりされてる
ユフィーリア:さいはて駅どうなった?
ユフィーリア:爆発した?
ショウ:ハルさんがエクスカリバって遠くにあった山が崩れた
ショウ:お使いのお釣りで買ったおやつを食べながら眺める俺
ショウ:俺「わー凄いなー」
ユフィーリア:お前も現実逃避してねえか?
ショウ:ここ現実じゃないからな
ユフィーリア:それもそうか、怪異だし
ユフィーリア:腹立つから自分で紅茶を入れちゃお
ユフィーリア:空茶開けたわ
ショウ:羨ましい
ハルア:オレも飲みたい!!
ユフィーリア:ハル、終わったか?
ハルア:線路でゴロゴロしながら喋ってるよ!!
ショウ:悪いことをしている気分で楽しい
ショウ:左右の道にトンネルがあったらきさらぎ駅だったのに
ショウ:何もない
ハルア:あ、駅の売店発見!!
ユフィーリア:何売ってる?
ショウ:ユフィーリアの盗撮写真
ユフィーリア:何で怪異の中までアタシの写真が売られてるんだよクソがよ
ユフィーリア:誰だよそこの駅の運営
ユフィーリア:知り合いか?
ショウ:冗談だ
ユフィーリア:ずっこけて膝を打った時のアタシの気持ちを答えよ(配点10点)
ショウ:痛い
ユフィーリア:可愛くて許しちゃう〜
ユフィーリア:本当は何が売ってた?
ショウ:歯
ユフィーリア:歯かぁ
ハルア:これ奥歯だね、形的に
ハルア:凄え綺麗に抜けてるね!!
ハルア:あと指と眼球が売ってるね!!
ハルア:よく見ると駅員っぽい人が自分の顔から部品を引き抜いてるね!!
ユフィーリア:写真送って
ショウ:はい
【駅員っぽい服装の男性が、自分の眼窩に指を突っ込んで抉り取る瞬間の写真】
【引っこ抜かれた眼球や歯などの部品の写真】
ユフィーリア:鮮度がいいな
ユフィーリア:ハル、その眼球持って帰ってきて
ユフィーリア:魔法薬の材料としてグローリアに売る
ショウ:歯は?
ユフィーリア:いらねえや
ショウ:ハルさんが駅員さんの歯茎に抜いた歯を全部突き刺している
ショウ:そんなことしても無駄なのに
ショウ:ハルさん「おら、早く戻せよ!!」
ショウ:一度抜けたらダメなんだ、ハルさん
ユフィーリア:何で歯茎に刺せば元通りって思うの?
ショウ:あ
ユフィーリア:どうした
ショウ:馬車が来た
ショウ:やたら荷台が低い馬車だな
ショウ:お婆さんが乗ってる
ユフィーリア:霊柩馬車だな、それ
ユフィーリア:棺をその荷台に積むんだよ
ユフィーリア:それ婆さんが乗ってるなら婆さんの霊柩馬車じゃね?
ショウ:霊柩馬車ということは、ここって冥府だったりするかな?
ショウ:ワンチャン父さんに迎えに来てもらえる
ユフィーリア:多分違うと思うんだよな
ハルア:あそこ乗れるの!?
ハルア:オレも乗りたいんだけど!!
ユフィーリア:乗るなって言ってんだよ
ユフィーリア:死にてえのか
ハルア:エクスカリバっていいかな!?
ユフィーリア:だからって消し飛ばしていいってことじゃねえんだよなぁ
ユフィーリア:どうなった?
ショウ:ハルさんがエクスカリバって粉微塵になりました
ショウ:お婆さん、ご冥福を祈ります
ユフィーリア:あーあ、これだからハルは
ユフィーリア:暴走機関車野郎がよ
ハルア:だって乗っていいって言ったのに、いざ乗ったら嫌な顔するんだよ!!
ハルア:意見を曲げてんじゃねえよ!!
ユフィーリア:こんな生命力に満ち溢れた奴なんて乗せたくねえだろ
ショウ:次に血塗れの人が来たんだが
ショウ:片足がないな
ハルア:持ってるの自分の足っぽいね!!
ユフィーリア:追い剥ぎしてこい
ユフィーリア:足ほしいな
ショウ:何に使うんだ、他人の足なんて
ユフィーリア:魔法薬の材料としてグローリアに売り飛ばす
ショウ:魔法薬って何でも使えるんだな
ショウ:人間の足なんて何の魔法薬に使うんだ
ユフィーリア:足を生やす薬に使えるんだよ、生やしたい部分があると短縮になる
ユフィーリア:腕生やす時は腕を煮たりするし
ショウ:それ普段はどうやって作るんだ
ユフィーリア:普段は薬草だな、今回のは応急処置
ユフィーリア:戦場とかで使えるんだよ
ユフィーリア:腕を吹っ飛ばした時とか、持って帰ってそれ使って魔法薬を作ればいいからな
ショウ:経験者か?
ユフィーリア:長く生きてると色々とな(自分の右手を見ながら)
ハルア:魔法医師免許を持ってれば学ぶからねそれ
ハルア:自分が腕とか足を吹っ飛ばしたかのように言うけどさ
ハルア:むしろユーリ、腕とか足を吹っ飛ばしても「唾つけときゃ治る」って言うタイプだし
ユフィーリア:何でバラすんだよ
ユフィーリア:せっかく反応を楽しもうとしていたのに
ハルア:ショウちゃんが冥砲ルナ・フェルノを取り出したからだよ
ハルア:存在しない敵を消し炭にしそうな勢いだよ
ハルア:困るのはユーリだよ
ユフィーリア:ハルに諭されるなんて世も末だな
ユフィーリア:ていうかいい加減に出れた?
ユフィーリア:さいはて駅どうなったんだよ
ショウ:駅で待っていても何もないな
ショウ:隣に座ってきたお爺さんが「しね……しね……」と言っている
ショウ:その隣でハルさんがゆっくりと合いの手を打っている
ショウ:「しね(パァン)……しね(パァン)……」みたいな
ユフィーリア:フェスじゃねえんだよ何してんだ
ユフィーリア:爺さん困惑するだろ
ハルア:席立たないかな、こいつ
ユフィーリア:老人と子供には優しくしろって言わなかったかな
ユフィーリア:言った記憶ねえな
ユフィーリア:いいぞ、もっとやれ
ショウ:ユフィーリアの常識人具合はすぐになくなるな
ユフィーリア:他人事だし、楽しんだもん勝ちだろ
ユフィーリア:秘蔵のクッキー開けたわ
ショウ:え、食べたい
ハルア:オレも食べたいんだけど!!
ハルア:残しといてよ!!
ユフィーリア:エドが帰ってきたから無理だと思う
ハルア:ショウちゃん帰ろう!!
ハルア:エドに食べられちゃう!!
ショウ:ああ
ユフィーリア:帰れないって言ってる怪異からどうやって帰んの?
ユフィーリア:駅舎でも燃やす?
ショウ:ただいま
【ピースサインするハルアとショウ、その後ろに冥王ザァト様の写真】
ハルア:ショウちゃんが冥砲ルナ・フェルノで床を吹き飛ばしたよ
ハルア:冥府経由で帰るね!!
ショウ:父さんが送ってくれるみたいだ
ユフィーリア:冥府経由すれば帰れるとか最強か?
ユフィーリア:凄え便利
《登場人物》
【ユフィーリア】未成年組に麓の街まで買い物を命じたら、まさか怪異に飲まれて冥府経由で帰ってきた。持ち帰ってきた眼球と足は学院長に魔法薬の材料として売ったが、持ち込んだ時に「とうとう人を殺したか」と警察組織を危うく呼ばれるところだった。
【ハルア】ショウと一緒に異界駅に巻き込まれた。生命力が強い馬鹿野郎なので、近付いただけでも幽霊はじゅわっと蒸発する。
【ショウ】ハルアと一緒に異界駅に巻き込まれた。冥府経由で帰れるので行方不明になる、二度と戻って来れない場所などの言葉は通用しない。