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湯の花   作者: 雲
2/2

口上の一

 今年も肌寒い季節がやってきた。山木の葉はみな枯れ落ちて、凍るほど冷たい河川が暗くなった紅葉を運んでいく。冬風に痺れた手先足先をこすり合わせて温めようとしてみても、間に合うものではない。

 俺は若いが冷え性なのだ。寒い季節、また、寂しい日々には決まって身体の先端から悴んでくる。俺は気にせず歩くのだが、あっという間に全身に広がってきて身震いする羽目になってしまう。  

 こうした季節には必ず温泉宿に泊まることに決めている。宿、といってもホテルのことではない。今ではビジネスホテルが都市・地方を問わず乱立しているが、寝るためだけに設えた狭い部屋に泊まってみても身体は一向に冷えるばかりだ。温泉旅館である。

 暮らしている街から少しは離れてないといけない。しかし、あまり離れすぎていても逆に落ち着かない。というわけで、そういう事情から必然的に近場の温泉旅館となる。

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