悪役令嬢とは、何か?と考えてもよく分からないので、ニューヒロインと思うことにした
「乙女ゲームって聞くと、逆ハーレムというイメージがあります」
「いや、実際の乙女ゲームには、逆ハーレムルートなんて、ほぼないと思います」
と、お知り合いに辛辣な返しをしたので、エッセイを書くことに決めました。こんにちは。お久しぶりです。
お知り合いがそう思うのも、無理はないので、否定をするつもりはないのです。ただ、私の黒歴史が騒いでいるだけです……
独断と偏見が多々、含まれるものなので、間違いがあったら、そっと教えるか、りすこってばしょうがない子ね、と流してください。
◼️乙女ゲームに、逆ハールートはないと思う。
必要性がないというのが正しいですね。乙女ゲームというものは、努力と根性と知恵と金をかけて、ヒーローとドラマチックな恋をするものだと思っています。
ロマンス小説にイラストがついて、声がついて、演出がついて、胸キュンするスチルがついて、情感あふれる音楽がついて、ヒーローとの恋を堪能するゲームというイメージ。
プレイヤー(私)が求めるのは、このヒーローとどんな恋をするのかであり、一途に愛されることを望みます。実際、そういうゲームばっかやってきました。
一対一の関係を深めていく過程を楽しみたいので、ヒーロー(攻略対象者)が複数人いても、それは変わらないです。
ヒーローAのシナリオなら、Aとの恋がしたいし、ヒーローBのシナリオだったら、Bとのロマンスに溺れたい。
コンプリートしたら、あのシナリオがよかったと振り返り、お気に入りキャラを見つける。
逆ハーレム(ヒーロー全員から、一斉に愛される)というものは不要かな。だったら、ヒーローを増やして、別の恋愛がみたいって思っちゃいます。
今までの経験上、逆ハーレムルートがあった乙女ゲームがぱっと思い浮かばないです。必要性がないからかと思いますが、あるんでしょうか? あったら、素直に謝って認識を改めます。創作の中の話だよ!と、いう話なら、ごめんねと謝ります。
ただ、乙女ゲーム=逆ハーレムという認識も分からなくはないのですよね。
なろうでは、悪役令嬢が逆ハーを築くのが、パターンのひとつだと思うからです。
◼️悪役令嬢って、なんでしょう? 考えれば考えるほど、よく分かりません。
なろうに来てから、乙女ゲームの世界には、悪役令嬢という存在がいるということを知りました。誰!?と、混乱しましたね。
当て馬キャラはいたような気がしますが、乙女ゲームって、とりあえずヒーローとの距離を詰めるために、根性と時間と、知恵がいるので、当て馬まででてきたら、白目を剥きそうです。
ヒーローの好感度をあげつつ、当て馬牽制。ハードル高いな……他の女の影なんざいらないので、私のやるものは、当て馬があんまいなかったような気がします。思い出せない。
だから、悪役令嬢転生ものが流行しているのが、最初、不思議でした。そして、ヒロインが敵になっているのに、ひぇっとなりました。そんな私は、いまだに悪役令嬢というものが、よくわかっていません。
悪役令嬢という存在は、乙女ゲームを飛び越えて、様々なパターンがあるとは思います。転生ものもあるし、転生ものじゃないものもある。
婚約破棄した男を自滅させる悪役令嬢もいるし、悪役令嬢になる幼少期に性格を直して違う人生を歩む子もいる。根っからの悪女もいる。
ひとえに悪役令嬢といっても、様々だとは思いますが、乙女ゲームに当てはめて考えてみることにします。
ちなみに、以下の話は、こう考えてもドン詰まりを起こしましたという失敗例です。
雑な手書きで申し訳ないですが、私が思うざっくりとした乙女ゲームの構造。
攻略対象者は、三人としました。
まずそれぞれのヒーローと関わるプロローグ的な共通ルートがあります。お目当てのヒーロー君にしぼって、好感度をあげて、分岐ルートと呼ばれるものに突入開始!!
別のヒーロー君にいったら、断腸の思いで、そのヒーロー君にいくか、セーブ&ロードを駆使して、やり直します。
そもそも、ヒーローとの恋に行く前に、殺されましたとかもあるので、スタート時点で戦いは始まってます。
分岐ルートにいくまでがまず、大変です。
攻略を見ないと何十時間も棒にふります。
乙女ゲームは簡単に、ヒーローと恋させてくれません。気分はRPGのレベル上げに近いです。(私だけですが)
分岐ルートに入ったら、各ヒーロー君とのエンドまで邁進します。ここからも長いです。選択肢という魔の手が襲いかかってくるので、油断するとバッドエンドに行きます。スチルというご褒美もなく、ロマンスシーンもなく、やり直し! 泣けてきます。
まぁ、簡単に攻略できたら何千円も払う価値はないと思うので、よいのです。乙女ゲームは、やり込み要素が高いほど好きです。
エンドはハッピーもあれば、バッドもあるし、トゥルーもありますが、ひとまず、バッドとハッピーを書きました。
◼️悪役令嬢を配置してみる。
赤が一番、発色がよいので、レッドヒーローB君ルートにでてくる当て馬として、悪役令嬢を配置。悪役令嬢のポジションは、ヒーローBの婚約者としましょうか。
それだと、ヒロインが略奪愛の末、ヒーローと結ばれるみたいですが、深く考えてないことにします。たぶん、考えたらダメなやつと、直感が告げている。
他の女から奪ってまで、ヒーローと結ばれたいのか?お前は一途キャラが好きなんじゃないのか? そんなゲームをやりたいのか? と、黒歴史が騒ぐっ。くっ。……だから、気にしちゃダメです。
悪役令嬢と、ヒロインとヒーローの関係図。
分岐ルートに悪役令嬢を配置したので、ヒーローは、すでにヒロインが気になる存在です。
分岐ルートはあくまで、ヒロインとヒーローがくっつく為に用意されたもの。悪役令嬢は、当て馬役なので、幸せになる道はありません。
悪役令嬢からすると「この浮気者!」と罵りたいところですね。
おや? じゃあ、この乙女ゲームは浮気するゲームなの……???
よくありそうなパターンに配置してみましたが、私の脳内はすでに混乱しています。
間違ったか……?
もう分からないので、続けます。
◼️悪役令嬢を転生させましょう。そうしましょう。
転生させる前に、悪役令嬢の末路を語りましょうか。
おいおい、こんなんがヒーローでいいのか!?というツッコミが止まりませんが、ヒロインのハッピーエンドは、悪役令嬢のバッドエンドで、悪役令嬢のハッピーエンドは、ヒロインのバッドエンドにしました。
悪役令嬢のバッドエンドというと、処刑か追放でしょうか?
そんな悪役に、日本人乙女ゲープレイヤーが転生しました。彼女の運命やいかに!?
もう、浮気男とヒロインをくっつけて、さっさと逃げようが、ベストな気がしますね。
さてさて、転生するタイミングはどうしましょうか。
分岐ルートだと、処刑エンドに近いしな。
悪役令嬢は最終的に逆ハーレムさせなくちゃいけないため、まだヒーローとのルートが確定しないスタート地点にしました。
死にたくない悪役令嬢、もうヒロインと浮気男をくっつけます。婚約なんて今すぐ解消したいはず。
悪役令嬢「婚約破棄しましょう! どうぞ、どうぞ! はい! 今すぐしましょう!! ヒーロー様には素敵なヒロインがいますからね!(だから、殺さないでー!)」
という雰囲気? なんかコメディですけど……ロマンスはどこへ?
まぁ、悪役令嬢の立場からすると、生き延びるのが第一なので、ロマンスしている場合じゃないんですよ、きっと。私なら浮気男とのロマンスより、地に足のついた生を選びます。
ヒロインとの恋をつなぐうちに、あら、不思議。処刑した相手が、悪役令嬢を見直すようになります。
(その経緯が思いつかないので、端折ります)
困った悪役令嬢、全力で浮気男からの愛を拒否。
浮気男、まさか自分が浮気をする未来があるなんて知りませんから、「婚約者なんだし、大切にしたい」と悪役令嬢を追いかけます。
ヒーローが、闇落ちする未来しか見えなくなってきました……
取り残されたヒロインはというと?
ここは2つパターンを作りましょうか。
ヒロインが転生者の場合「ふざけるな。ゲームの主人公なのに、なんでヒーローが当て馬に恋しちゃってんのよ! 今までの努力と根性と知恵と金をかえしなさい! プレイヤー魂、見せてやるわ!」
と、奮起するパターン。
この発想、よく分かります。
乙女ゲームなのにヒーローと結ばれないなんて……何度もめげずに、ゲームをやり直したくなります。
ヒロインが転生者ではない場合「……私はヒーローが好きなのに……私には振り向いてくださらないのですね……じゃまね、あの子」
え? 闇落ち?(汗)
よく分かんなくなってきました。
とりあえず、最後までこの路線でいきます。
◼️処刑は免れたけど……?
元浮気男の婚約者と婚約破棄できずに、婚約者のままで、闇落ち直前になるまで愛されるようになりました。大変です。今の状況を整理しましょうか。
ヒーローBは、悪役令嬢にメロメロなので、ヒロインとラブラブする分岐ルートはなくなりました。
悪役令嬢の処刑フラグを折ってやったぜ!と言いたいところですが、悪役令嬢には逆ハーという使命が残されています。
残されていますが……
え? どうやって、他のヒーローを惚れさせるの??
悪役令嬢はヒーローB限定の当て馬キャラにしてしまったので、ヒーローA、ヒーローCは、彼女を恨む理由がないんですよね……知り合い程度の仲でしょうか……
さらにいうと、ヒロインにはヒーローAと、ヒーローCのルートにいける可能性は残っているので、よっぽどヒーローBが好きじゃないと、他のヒーローの攻略に乗り出すと思います。
待って!
このままだと、ヒーローB→悪役令嬢と、
ヒーローA(or C)×ヒロインのカップルが誕生してしまうわ!!
逆ハーできるはずなんだよ!あれ? おかしいな……どこで間違ったんだろう。
悪役令嬢がヒーローBと婚約者でありながら、他のヒーローもちょっかいかけて、裏で逆ハーレムを築こうとしていたとか?
……と、とんでもねぇ悪女だな。
うーん。
じゃあ、ヒロインが悪役令嬢を許せなくて、ヒーローA&ヒーローCをけしかけて、彼女の殺害を試みたとか?
……ヒーローというより、暗殺者だな……
ヒロインの執念が怖いよ……
お茶でも飲みましょうか。
もう、ここでよく分からなくなったのでギブアップです。
こうやって考えると、よく分からなくなるので、やめましょうという実例です。
実際の乙女ゲームの中で、悪役令嬢をみたことがない私には、無理な話でした……
で、最近では悪役令嬢は、ニューヒロインだと思うことにしています。
悪役令嬢は、悪役とついているけど、ヒロインポジション。主人公ですしね。
悪役令嬢の定義は、それぞれの作者様の中にあるものとして読んでます。
ここまで書いて、自分が悪役令嬢を書けない理由がわかったような気がします……
あと、逆ハーレムも書けないです。
逆ハーレムは読む専門です。
しかしだな。
バッドエンド回避という仕組みは、面白いと思うのですよね。主人公の目的がハッキリしているので、読んでいて流れが分かりやすいです。
なので、バッドエンドしかない乙女ゲームに、ヒロイン転生した主人公の話をちまちま書いています。
ヤンデレゲームとかあるんで、いけるいける。
黒歴史「そんなゲーム、数千円払ってまでしたくなるか! 絵師さんに支払う金やプログラマーさんに出す給料とか、どうやって出すんだ!」
私「フリーゲームにするもん! お金なんていらない無料ゲームだよ! 個人の趣味で作ったゲームにするんだよ! 商業ゲームや、課金制のゲームじゃないんだよ! それぐらい許してよ! 趣味で小説を書くように、趣味でゲームを作ったっていいじゃんか! 私だって、昔々は、フリーゲーム作ろうとしたよ!」
黒歴史「媒体は? スマホゲームか?」
私「違う。PCゲーム。全盛期がすぎて、スマホゲームに押されて廃れている設定。ニッチなものが集まっても、おかしくない世界観よ」
と、ドSな黒歴史をなだめつつ、書いています。