表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/20

悪役令嬢とは、何か?と考えてもよく分からないので、ニューヒロインと思うことにした

「乙女ゲームって聞くと、逆ハーレムというイメージがあります」

「いや、実際の乙女ゲームには、逆ハーレムルートなんて、ほぼないと思います」


 と、お知り合いに辛辣な返しをしたので、エッセイを書くことに決めました。こんにちは。お久しぶりです。


 お知り合いがそう思うのも、無理はないので、否定をするつもりはないのです。ただ、私の黒歴史が騒いでいるだけです……


 独断と偏見が多々、含まれるものなので、間違いがあったら、そっと教えるか、りすこってばしょうがない子ね、と流してください。



 ◼️乙女ゲームに、逆ハールートはないと思う。



 必要性がないというのが正しいですね。乙女ゲームというものは、努力と根性と知恵と金をかけて、ヒーローとドラマチックな恋をするものだと思っています。


 ロマンス小説にイラストがついて、声がついて、演出がついて、胸キュンするスチルがついて、情感あふれる音楽がついて、ヒーローとの恋を堪能するゲームというイメージ。


 プレイヤー(私)が求めるのは、このヒーローとどんな恋をするのかであり、一途に愛されることを望みます。実際、そういうゲームばっかやってきました。


 一対一の関係を深めていく過程を楽しみたいので、ヒーロー(攻略対象者)が複数人いても、それは変わらないです。


 ヒーローAのシナリオなら、Aとの恋がしたいし、ヒーローBのシナリオだったら、Bとのロマンスに溺れたい。


 コンプリートしたら、あのシナリオがよかったと振り返り、お気に入りキャラを見つける。


 逆ハーレム(ヒーロー全員から、一斉に愛される)というものは不要かな。だったら、ヒーローを増やして、別の恋愛がみたいって思っちゃいます。


 今までの経験上、逆ハーレムルートがあった乙女ゲームがぱっと思い浮かばないです。必要性がないからかと思いますが、あるんでしょうか? あったら、素直に謝って認識を改めます。創作の中の話だよ!と、いう話なら、ごめんねと謝ります。


 ただ、乙女ゲーム=逆ハーレムという認識も分からなくはないのですよね。


 なろうでは、悪役令嬢が逆ハーを築くのが、パターンのひとつだと思うからです。




 ◼️悪役令嬢って、なんでしょう? 考えれば考えるほど、よく分かりません。



 なろうに来てから、乙女ゲームの世界には、悪役令嬢という存在がいるということを知りました。誰!?と、混乱しましたね。


 当て馬キャラはいたような気がしますが、乙女ゲームって、とりあえずヒーローとの距離を詰めるために、根性と時間と、知恵がいるので、当て馬まででてきたら、白目を剥きそうです。


 ヒーローの好感度をあげつつ、当て馬牽制。ハードル高いな……他の女の影なんざいらないので、私のやるものは、当て馬があんまいなかったような気がします。思い出せない。


 だから、悪役令嬢転生ものが流行しているのが、最初、不思議でした。そして、ヒロインが敵になっているのに、ひぇっとなりました。そんな私は、いまだに悪役令嬢というものが、よくわかっていません。



 悪役令嬢という存在は、乙女ゲームを飛び越えて、様々なパターンがあるとは思います。転生ものもあるし、転生ものじゃないものもある。

 婚約破棄した男を自滅させる悪役令嬢もいるし、悪役令嬢になる幼少期に性格を直して違う人生を歩む子もいる。根っからの悪女もいる。


 ひとえに悪役令嬢といっても、様々だとは思いますが、乙女ゲームに当てはめて考えてみることにします。


 ちなみに、以下の話は、こう考えてもドン詰まりを起こしましたという失敗例です。



 雑な手書きで申し訳ないですが、私が思うざっくりとした乙女ゲームの構造。



挿絵(By みてみん)


 攻略対象者(ヒーロー)は、三人としました。

 まずそれぞれのヒーローと関わるプロローグ的な共通ルートがあります。お目当てのヒーロー君にしぼって、好感度をあげて、分岐ルートと呼ばれるものに突入開始!!


 別のヒーロー君にいったら、断腸の思いで、そのヒーロー君にいくか、セーブ&ロードを駆使して、やり直します。


 そもそも、ヒーローとの恋に行く前に、殺されましたとかもあるので、スタート時点で戦いは始まってます。


 分岐ルートにいくまでがまず、大変です。

 攻略を見ないと何十時間も棒にふります。

 乙女ゲームは簡単に、ヒーローと恋させてくれません。気分はRPGのレベル上げに近いです。(私だけですが)


 分岐ルートに入ったら、各ヒーロー君とのエンドまで邁進します。ここからも長いです。選択肢という魔の手が襲いかかってくるので、油断するとバッドエンドに行きます。スチルというご褒美もなく、ロマンスシーンもなく、やり直し! 泣けてきます。


 まぁ、簡単に攻略できたら何千円も払う価値はないと思うので、よいのです。乙女ゲームは、やり込み要素が高いほど好きです。


 エンドはハッピーもあれば、バッドもあるし、トゥルーもありますが、ひとまず、バッドとハッピーを書きました。



 ◼️悪役令嬢を配置してみる。


 赤が一番、発色がよいので、レッドヒーローB君ルートにでてくる当て馬として、悪役令嬢を配置。悪役令嬢のポジションは、ヒーローBの婚約者としましょうか。


 それだと、ヒロインが略奪愛の末、ヒーローと結ばれるみたいですが、深く考えてないことにします。たぶん、考えたらダメなやつと、直感が告げている。


 他の女から奪ってまで、ヒーローと結ばれたいのか?お前は一途キャラが好きなんじゃないのか? そんなゲームをやりたいのか? と、黒歴史が騒ぐっ。くっ。……だから、気にしちゃダメです。


 悪役令嬢と、ヒロインとヒーローの関係図。


挿絵(By みてみん)


 分岐ルートに悪役令嬢を配置したので、ヒーローは、すでにヒロインが気になる存在です。

 分岐ルートはあくまで、ヒロインとヒーローがくっつく為に用意されたもの。悪役令嬢は、当て馬役なので、幸せになる道はありません。


 悪役令嬢からすると「この浮気者!」と罵りたいところですね。


 おや? じゃあ、この乙女ゲームは浮気するゲームなの……???


 よくありそうなパターンに配置してみましたが、私の脳内はすでに混乱しています。


 間違ったか……?

 もう分からないので、続けます。




 ◼️悪役令嬢を転生させましょう。そうしましょう。


 転生させる前に、悪役令嬢の末路を語りましょうか。


挿絵(By みてみん)


 おいおい、こんなんがヒーローでいいのか!?というツッコミが止まりませんが、ヒロインのハッピーエンドは、悪役令嬢のバッドエンドで、悪役令嬢のハッピーエンドは、ヒロインのバッドエンドにしました。


 悪役令嬢のバッドエンドというと、処刑か追放でしょうか?


 そんな悪役に、日本人乙女ゲープレイヤーが転生しました。彼女の運命やいかに!?


 もう、浮気男とヒロインをくっつけて、さっさと逃げようが、ベストな気がしますね。



 さてさて、転生するタイミングはどうしましょうか。



 分岐ルートだと、処刑エンドに近いしな。

 悪役令嬢は最終的に逆ハーレムさせなくちゃいけないため、まだヒーローとのルートが確定しないスタート地点にしました。



挿絵(By みてみん)



 死にたくない悪役令嬢、もうヒロインと浮気男をくっつけます。婚約なんて今すぐ解消したいはず。


 悪役令嬢「婚約破棄しましょう! どうぞ、どうぞ! はい! 今すぐしましょう!! ヒーロー様には素敵なヒロインがいますからね!(だから、殺さないでー!)」


 という雰囲気? なんかコメディですけど……ロマンスはどこへ?


 まぁ、悪役令嬢の立場からすると、生き延びるのが第一なので、ロマンスしている場合じゃないんですよ、きっと。私なら浮気男とのロマンスより、地に足のついた生を選びます。


 ヒロインとの恋をつなぐうちに、あら、不思議。処刑した相手が、悪役令嬢を見直すようになります。

(その経緯が思いつかないので、端折ります)


 困った悪役令嬢、全力で浮気男からの愛を拒否。

 浮気男、まさか自分が浮気をする未来があるなんて知りませんから、「婚約者なんだし、大切にしたい」と悪役令嬢を追いかけます。


 ヒーローが、闇落ちする未来しか見えなくなってきました……


 取り残されたヒロインはというと?

 ここは2つパターンを作りましょうか。


 ヒロインが転生者の場合「ふざけるな。ゲームの主人公なのに、なんでヒーローが当て馬に恋しちゃってんのよ! 今までの努力と根性と知恵と金をかえしなさい! プレイヤー魂、見せてやるわ!」


 と、奮起するパターン。

 この発想、よく分かります。

 乙女ゲームなのにヒーローと結ばれないなんて……何度もめげずに、ゲームをやり直したくなります。



 ヒロインが転生者ではない場合「……私はヒーローが好きなのに……私には振り向いてくださらないのですね……じゃまね、あの子」


 え? 闇落ち?(汗)


 よく分かんなくなってきました。

 とりあえず、最後までこの路線でいきます。



 ◼️処刑は免れたけど……?



 元浮気男の婚約者と婚約破棄できずに、婚約者のままで、闇落ち直前になるまで愛されるようになりました。大変です。今の状況を整理しましょうか。



挿絵(By みてみん)



 ヒーローBは、悪役令嬢にメロメロなので、ヒロインとラブラブする分岐ルートはなくなりました。


 悪役令嬢の処刑フラグを折ってやったぜ!と言いたいところですが、悪役令嬢には逆ハーという使命が残されています。


 残されていますが……


 え? どうやって、他のヒーローを惚れさせるの??


 悪役令嬢はヒーローB限定の当て馬キャラにしてしまったので、ヒーローA、ヒーローCは、彼女を恨む理由がないんですよね……知り合い程度の仲でしょうか……


 さらにいうと、ヒロインにはヒーローAと、ヒーローCのルートにいける可能性は残っているので、よっぽどヒーローBが好きじゃないと、他のヒーローの攻略に乗り出すと思います。



 待って!


 このままだと、ヒーローB→悪役令嬢と、

 ヒーローA(or C)×ヒロインのカップルが誕生してしまうわ!!


 逆ハーできるはずなんだよ!あれ? おかしいな……どこで間違ったんだろう。


 悪役令嬢がヒーローBと婚約者でありながら、他のヒーローもちょっかいかけて、裏で逆ハーレムを築こうとしていたとか?


 ……と、とんでもねぇ悪女だな。


 うーん。


 じゃあ、ヒロインが悪役令嬢を許せなくて、ヒーローA&ヒーローCをけしかけて、彼女の殺害を試みたとか?


 ……ヒーローというより、暗殺者だな……

 ヒロインの執念が怖いよ……





 お茶でも飲みましょうか。


 もう、ここでよく分からなくなったのでギブアップです。


 こうやって考えると、よく分からなくなるので、やめましょうという実例です。


 実際の乙女ゲームの中で、悪役令嬢をみたことがない私には、無理な話でした……



 で、最近では悪役令嬢は、ニューヒロインだと思うことにしています。



 悪役令嬢は、悪役とついているけど、ヒロインポジション。主人公ですしね。

 悪役令嬢の定義は、それぞれの作者様の中にあるものとして読んでます。



 ここまで書いて、自分が悪役令嬢を書けない理由がわかったような気がします……


 あと、逆ハーレムも書けないです。

 逆ハーレムは読む専門です。



 しかしだな。

 バッドエンド回避という仕組みは、面白いと思うのですよね。主人公の目的がハッキリしているので、読んでいて流れが分かりやすいです。


 なので、バッドエンドしかない乙女ゲームに、ヒロイン転生した主人公の話をちまちま書いています。


 ヤンデレゲームとかあるんで、いけるいける。


 黒歴史「そんなゲーム、数千円払ってまでしたくなるか! 絵師さんに支払う金やプログラマーさんに出す給料とか、どうやって出すんだ!」


 私「フリーゲームにするもん! お金なんていらない無料ゲームだよ! 個人の趣味で作ったゲームにするんだよ! 商業ゲームや、課金制のゲームじゃないんだよ! それぐらい許してよ! 趣味で小説を書くように、趣味でゲームを作ったっていいじゃんか! 私だって、昔々は、フリーゲーム作ろうとしたよ!」


 黒歴史「媒体は? スマホゲームか?」

 私「違う。PCゲーム。全盛期がすぎて、スマホゲームに押されて廃れている設定。ニッチなものが集まっても、おかしくない世界観よ」


 と、ドSな黒歴史をなだめつつ、書いています。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 悪役令嬢についての説明があり良かった [一言] ときめきメモリアルの伊集院レイは ・逆ハーレム形成 という点でそれっぽいな?とは思いました 伊集院レイについては調べたら詳しく載っていますが…
[良い点] すんごく参考になります……! [一言] こんばんは。更新されたときから拝読してそわそわしてたのですが、感想欄の方々もすごい……! 白熱してますね。お久しぶりです! 乙女ゲームが、そんな修…
[良い点]  一瞬本気で「あれ? 私数式読んでる?」と思ったアルファベットの数々(三個しか出てないけどな!・笑)  特殊な性格でなければゲームのようにはならないとの結論に賛成です^^ [一言]  お久…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ