眠れる獅子の目的
「さて……とりあえず今紹介出来るメンバーはここまでじゃな」
「他にもメンバーがいるのですか?」
「あと一人いるのだけれど、まだ修理中なのよ」
「え? 修理中……?」
「うふ。もう一人のメンバーは私が開発した人工知能を搭載したロボットよ」
「前回の征服活動中に他の結社と戦闘が発生したのです。そしてその時のダメージが原因で現在修理中なのです」
「え……世界征服を企む秘密結社が他にもあるってこと?」
私は他にも世界を征服しようなどと企む秘密結社があることに驚いた。
「うむ。とりあえず今いるメンバーの紹介が終わったところでその事も説明するとしよう」
メンバー紹介が終わると総統は秘密結社について私に説明をしてくれた。
この世界には様々な結社が存在していること。
世界を征服し全てを自分の意のままに支配しようとするもの。
ただ暴れまわり世界を混沌に陥れようとするものなど結社によって目的も様々であること。
そして眠れる獅子の目的――
まず一つ目が争いを起こしうる結社の無力化。
二つ目が世界を征服する意思を持った一つの大きな勢力が現れることによる他国間同士の争いへの抑止力になること。そして最終目的は世界平和だと総統は語った。
「うふ。山田ちゃん、この世界にはあまり知られていないけれど幾つもの秘密結社があったのよ」
「秘密結社に関しては大体今話した通りじゃ。眠れる獅子の目的も細かく言えば各々のメンバーに個人の望みはあるが……結社としての目的は我らが世界を征服する活動を行うことにより争いを無くし平和を維持することにある」
「アタシは元々、一番世界征服達成に近い秘密結社からスカウトされていたのだけれど目的達成後の望みを言ったら向こうに逃げられちゃったのよん。ホント失礼しちゃうわよねん」
「えっと……ドクターの望みって?」
「うふふ。それはね……この世界を征服した暁にはアタシ好みの男を自分の物に出来る権利よん!」
魔法少女の能力や女子力に釣られた私が言うのもなんだけど……この人は危ない……
「何となく君が言いたいであろう事は察しがつくのじゃが……我々が世界を征服するにはドクターの協力が不可欠なのじゃよ。魔法少女に変身できるようになった今の山田さんならドクターの知識や技術の凄さがわかるのではないかな?」
「あー……確かに」
ドクターはかなり変わった人ではあるけれども魔法少女に変身出来てしまうような謎の技術を持っている。
それに昨日変身し、ついドクターの言葉に反応して蹴り飛ばしてしまった時は普段よりも強化されているような感じがあった。
「うふふ。これから一緒に征服活動頑張りましょう。さて、メンバーの紹介と眠れる獅子の目的も話したことだし山田ちゃんの歓迎会始めるわよん。お料理や飲み物持ってくるわね」
ドクターはそう言うとマスターと一緒に私の歓迎会の準備をし始めた。