参謀とマスター
「それでは我が結社のメンバーを紹介しよう」
総統がそう言うとドクターは手に持っているリモコンを操作し、私と他のメンバーとの間を仕切っていたスクリーンが上昇していった。
「まずは一人目、我が結社の参謀じゃ」
すると参謀と呼ばれた人物は椅子から立ち上がった。その人物は総統とは対象的に黒い軍服ワンピースを着ていて眼鏡をかけた金髪ツインテールの見覚えのある少女だった。
「えっと……エリーちゃんだよね?」
「違うのです。エリーじゃなくてここでは参謀と呼ぶのです」
「参謀は13歳で大学を卒業しておる。主に結社の作戦立案やドクターと共に道具などの開発をすることもある」
「そうなのです。参謀は賢いのです」
エリーちゃんは誇らしげにそう言った。
「次は二人目。主に情報収集をしてもらっておるマスターじゃ」
総統がマスターと呼ぶと背が高くボディビルダーのような体格で年齢は恐らく30代後半くらいの男が立ち上がった。
「名前は空木良介、ここではマスターと呼ばれている! 普段はカフェを経営しながら情報収集をしている! ヨロシク頼む!」
マスターと呼ばれた男は笑顔で元気に自己紹介をした。
「マスターさんですね。よろしくお願いします」
「マスターは情報収集の他にも戦闘員としてもお世話になっておる。戦闘員不足である我が結社じゃったが山田さんが魔法少女として入ってくれたことによりこの問題は少し解消されたのじゃよ」
「うふふ。これまでは積極的に攻めることが出来なかったけど、これからは活動の幅が広がりそうね」
「ちなみにうちのカフェではアルバイトを募集している! 山田さん、君さえ良ければ来てくれるとありがたい! 戦闘の特訓もしたければ声をかけてくれるといいぞ!」
「か、考えておきますね」
「あら山田ちゃん。マスターのカフェの制服はカワイイからオススメよん。それにウェイトレスの経験を積めばきっとあなたの目標に近づけるわ」
「確かに一理ありますね……それでは是非! よろしくお願いします!」
私は自分の目的である女子力を手に入れるためにアルバイトすることを決めるのであった。