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魔法少女と進める世界征服  作者: 北斗拳士郎
三章 復讐のローレライ
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マーマレード

「我が主よ! 何故、そのような物を作ったというのですか!?」


 私が部屋に入った瞬間、アプリコットの声が聞こえた。話の内容はまだわからないが、どうやらドクターに対して何らかの意義を申し立てているようだった。アプリコットは私が部屋に入ってきたことに気付くと、ドクターへの抗議の態度を中断し、素早く紅茶を淹れて私に出してくれた。


「あのさ……とりあえずエリーちゃんに呼ばれたから来たんだけど、手に負えそうにないって一体何があったの?」


 私はアプリコットから紅茶を受け取ると、この状況を確認しようとする。


 ドクターの研究室の中に入ると、エリーちゃんが何やら困ったような表情をしていた。それに対してドクターと銀河博士は何やら真剣な表情と雰囲気で、アプリコットに関してはロボットなので表情などはわからないが静かに立っていた。


「うふ。それはアタシから説明しようかしら。まずはことの始まりなのだけれど、鋼鉄の心臓(アイアンハート)の技術提供を受けてアタシたちが共同して新しい研究をしてたのよん。それがこれなの」


 ドクターは部屋の奥を指差す。

 私はドクターが指差す先に視線を動かす。するとそこには一体のロボットが立っているようだった。その姿は全体的に黒でカラーリングされていて、よく見るとどこかで見たことのあるような気がした。


 ……そうだ、思い出した。この姿は確か、光のお兄さんである空さんが装備していた機械甲冑デウス・エクス・マキナだ。しかし、私の記憶にある形とは少し違うようにも見える。


「うふふ。どうやら山田ちゃんでもこのロボットの姿を見て気付いたようね。そうよん。これは鋼鉄の心臓(アイアンハート)の機械甲冑デウス・エクス・マキナに改良を加えたものよ。今までは複雑な操作や咄嗟な状況判断が必要になるからこの機械甲冑の性能になかなかロボットではついていけなくてうまく使えなかったみたいなのねん。だから空くんのように生身の人間が装備して使っていたのだけれど、今回アタシと銀河博士の共同開発によってアプリコットちゃんのような自律型ロボットに機械甲冑を装備させられるように研究をしていたの。そしてその研究で出来たのが今そこにいるマーマレードちゃんよ」


 ドクターはそう言うとマーマレードを起動させる。するとマーマレードと名付けられたロボットが動き出し、静かにこちらへと向かって歩いてくる。そして私達の近くまで来るとマーマレードはその動きを止めた。


「このマーマレードは私とドクターにより、ロボットとしての単純な性能はアプリコットのデータをベースにして人工知能の改良と強化をしている。まだ完璧とは言えないが、それによって複雑な操作を要求されるデウス・エクス・マキナにも対応ができるようになったのだよ」


 銀河博士はマーマレードについて説明をする。


「うふ。マーマレードちゃん自体はいい感じに仕上がっているわ。あとはデウス・エクス・マキナを改良してよりロボット用に調整ができれば、マーマレードちゃんはアタシの新たな傑作となるのよん」


 ドクターがそう言った瞬間、静かに立っていたアプリコットが再び言葉を発した。


「……我が主よ! 自分こそが我が主である、あなたの傑作なのでしょう! このようなものをわざわざ作らなくても自分を改良して強化してくだされば良いではないですか!」


「あらあら。確かにアプリコットちゃんはアタシの傑作だったわ。でもそれは今となっては過去のお話よ。アタシにとっての傑作は揺れる恋心と同じで常に変わるものなのよん」


 ……あぁ、なるほど。今の流れから何となくだが私は察した。要はアプリコットはドクターの傑作が今まで自分だったのに、急に出てきた新しいロボットが傑作扱いされていることが気に入らないようだ。


「うふ。鈍感そうな山田ちゃんでも、今のやり取りを見て気づいたんじゃないかしらん。そうよ、アプリコットちゃんは自分より優れたこのマーマレードちゃんが気に入らないのよん」


 さっきのロボットの容姿に気づいた時もそうだが、山田ちゃんでもだとか、鈍感だとか私のことをいつも必要以上に煽ってくるのは何なんだ。しかしドクターの言い方は腹立たしいが、この人の言うことをいちいち気にしても仕方がないので私は無視して話の続きを聞くことにする。


「うふふ。それにね。このマーマレードちゃんがアタシの新たな傑作と呼ぶに相応しいちゃんとした理由もあるのよん。それを今から教えてあげるわ」


 ドクターがマーマレードに向けて指をパチンと鳴らすと、マーマレードは頭部を覆うヘルメットのような機械甲冑を取り外す。


「……え?」


 私はヘルメットで隠れていたマーマレードの顔を見て驚いた。

 それは……光のお兄さんである空さんとうり二つの顔をしていた。


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