五十嵐さんの学園案内
「さっきの話で五十嵐さんの名前が出ていたのは村雨さんから何かあれば五十嵐さんを頼るといいよって聞いたんです。私たちはまだこの学園や周辺のことをあまり知らないので、いろいろと教えてもらえると嬉しいなって」
私は五十嵐さんに先程の村雨さんとの会話や、この町に来てからどこを探索してみたのかを話してみた。
「なるほど、そうですのね。わかりましたわ。わたくしがこの学園を案内してさしあげます。それでは早速行きましょう」
五十嵐さんはそう言うと私と光の手を取り、すぐにでも教室から出ようとする。私はせっかくの機会なので、エリーちゃんたちも呼びたいということを伝えると五十嵐さんはそれに了承をしてくれた。
私はまずエリーちゃんに一緒に来るか確認するために連絡をする。次に川瀬くんとも連絡を取ろうとした……のだが、川瀬くんとはまだ連絡先の交換をしていなかったことを思い出した。確か川瀬くんは隣のクラスのB組だったので、この後直接隣のクラスを覗いてみよう。
そう考えているとエリーちゃんから返事がくる。その内容は五十嵐さんと一緒に学園の案内をしてもらうことに了承をしてくれるものだった。
エリーちゃんは私たちとは違い、中等部なのでどこかで待ち合わせ場所を決めなければならない。五十嵐さんにどこかいい場所はないかを尋ねる。すると五十嵐さんは中等部の生徒が高等部に一人で来るのは気持ち的に辛いかもしれないとのことで、中等部と高等部の間にある中央校舎にある食堂で待ち合わせをすることにする。
いざ集合場所を決めてエリーちゃんに再び連絡を入れておく。次は川瀬くんがいる隣のクラスへと向かい教室の中を覗いてみる。しかし教室の中に川瀬くんの姿はなかった。恐らく先に帰ってしまったのだろう。
とりあえず今回は私たちだけで五十嵐さんに学園の案内をしてもらうことにする。そしてちょうど待ち合わせ場所の連絡に対するエリーちゃんからの返事も来たので、彼女と合流をするために高等部の校舎から中央校舎へと移動を始めた。
私たちが中央校舎の食堂へ着くと既にエリーちゃんの姿があった。食堂内に入った私たちに気づいたエリーちゃんはこちらへと近づいてきた。そして私の前まで来ると五十嵐さんから隠れるように抱きつくと、顔を少し出して覗くように五十嵐さんを見る。やはり初めて見る人とは少し距離を取りたがるようだ。
さすがの五十嵐さんも私の後ろで警戒しながら固まっているエリーちゃんに対してどう接したらいいのか困っているようだった。なので私はエリーちゃんと五十嵐さんの間に入り、二人にそれぞれのことを簡単に紹介する。
私が間に入ったことで調子を取り戻したのか、先程のホームルームのような勢いで五十嵐さんは自分のことを話し出す。その勢いに押されながらもエリーちゃんは私の背中に抱きついて五十嵐さんの話を聞いていた。




