歓迎会
とりあえずの詳しい話はまた後日という事で各々一度自分の部屋へと戻っていった。私は一度に色々とありすぎて疲れたのか部屋に入って寝転がりそのまま眠ってしまっていた。
私が世界征服を企む秘密結社『眠れる獅子』の一員になった翌日の朝。ピンポーンと私の部屋のドアホンが鳴り、寝ていた私はその音で目が覚ました。少し寝ぼけながら私が扉を開けるとそこにはドクターが立っていた。
「あら山田ちゃん寝ていたのかしら。起こしちゃってごめんなさいね。早速だけれど、これから秘密結社についての説明を兼ねて新メンバーの歓迎会をするわよん」
「え……えぇ? これからですか?」
「そうよ。それじゃあ準備が出来たらアタシの部屋まで来てねん」
ドクターはそう言うと自分の部屋まで戻っていった。
ドクターから歓迎会の話を聞いた後、私は準備を終え彼の部屋へと向かった。そして102号室のドアホンを押すとドクターが扉を開け中から出てきた。
「あら。思っていたより早かったわね。女の子だからもっと準備に時間がかかるかと思ったわよん」
「私がそういう事、気にしているのを知ってて言っているのかしら? どうせまだ迷うほど服も持っていませんが何か?」
ドクターの発言に少しイラッとした私は昨日のように蹴り飛ばしたい衝動を抑えながら笑顔で返した。
「じょ……冗談よん。とりあえず地下のアジトへ行くわよ。さあ入って入って」
ドクターはそう言うと部屋の中へと私を招き入れ、部屋の隅にあるスイッチを操作する。すると昨日と同じで部屋が軽く揺れエレベーターのように地下へと動き出した。
「あ、そうそう。全員は集まってないけれど、他のメンバーは先にアジトで待っているわ」
「管理人さんとドクター以外にメンバーいたんですか?」
「ええ、いるわよ。なのでメンバーの紹介も兼ねているのよん」
「他のメンバーってどんな人なんです?」
「うふ。それは実際に会ってからのお楽しみよん」
ドクターと話していると部屋の揺れは収まり、地下のアジトへと到着した。
「さあ着いたわよ」
部屋の扉を開けるとそこには昨日見た地下空間が広がっていた。
「今日の歓迎会は眠れる獅子の作戦会議室で行うわ。案内するから付いて来てねん」
そう言うとドクターは地下空間の通路を歩き出し、私はその後ろを付いて行った。