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魔法少女と進める世界征服  作者: 北斗拳士郎
二章 秘密結社 鋼鉄の心臓(アイアンハート)
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女子力の差

(……ちゃん、起きているかしら?)


「……ん?」


 私は突然、脳内に直接響くような声により起こされた。

 あれ……? 以前もこんな起こされ方をしたような気がする。うん、確かドクターに。


(……山田ちゃん、起きなさいな)


 私はドクターに起こされたものの、まだ眠気が覚めず少し寝ぼけ気味で通信魔法に返事をする。


「……今、ちょうどドクターに起こされて起きたよ。何か用?」


(うふふ。相変わらず山田ちゃんはお寝坊さんなんだから……とりあえず、鋼鉄の心臓(アイアンハート)のボスとは話がついたわ。これからの鋼鉄の心臓(アイアンハート)なんだけれど、組織としては解散して眠れる獅子の新たなメンバーとして協力関係を築くことになったわよん。そこで、作戦完了の打ち上げとメンバー紹介も兼ねて午後から宴会をするわ。なので山田ちゃんと光ちゃんもお昼くらいにアジトの作戦会議室まで来てねん。それじゃあ待ってるわよ)


 ドクターは一方的に要件を伝えると通信魔法を切った。

 私はそのままベッドから起き上がると、あくびをしながら伸びをした。周りを確認すると隣で寝ていたはずの光の姿はなく、部屋の扉の向こう側にあるキッチンから何やら物音が聞こえてくる。

 私はベッドから出て立ち上がり、扉を開けてキッチンへと移動をすると、そこにはジャージにエプロン姿の光が朝食を作っていた。


「あ、おはよう。音で起こしちゃったかな? 先に起きちゃったから泊めてもらったお礼になればと思って朝食を用意していたの。勝手にエプロンと材料使っちゃったけど大丈夫だった?」


「おはよう、起きたのはドクターの通信魔法のせいだから気にしないで。うちにある物は適当に使ってくれたらいいから大丈夫。それにしても……料理出来るなんてすごいな。私もいろいろと出来るようにと思って練習中だけど、まだ素材をそのまま焼くくらいしかまともに出来ないよ」


 テーブルにはトーストにサラダにオムレツが並べられていた。普段はコンビニやスーパーで買った菓子パンだけで済ます私にはとても真似が出来そうにない朝食だ。


 ……これが女子力の差というやつか。


 そう言えば、ドクターやマスターから料理を教えてもらう約束をしていたような気がする。今のところ教えられたのは魔法や格闘による戦い方だけだが。


「私の場合は自分で家事をやらざるを得なかったから自然と出来るようになってた感じかなぁ。明がよければ私が一緒にしながら教えてあげるよ」


「それはとてもありがたい。光と一緒なら安心だし楽しそう」


「うん。それじゃあ一緒に朝食食べちゃおうか。あ、洗濯物ももう干しておいたよ。今日は天気も良さそうだから早めに干せばすぐに乾くと思って。もし、明が人に自分の服とか勝手に触られたら嫌だったなら申し訳なかったけど……大丈夫だった? 先に聞きたかったんだけど、寝てるところを起こしちゃうのも悪いから今回は勝手にやっちゃった」


「ううん。私はあまり気にしないから平気。さすがに全然知らない人だったら嫌だったかもだけど光ならいいよ」


 ……なんだこのよく出来る嫁は。これが女子力の差というやつなのか。


 私はどう頑張っても埋めようのない圧倒的な女子力の差を感じながらキッチンのテーブルの席に着く。

 そして光が用意してくれた朝食を一緒に食べながら、朝にドクターから伝えられた要件を彼女に話す。


「……そっか。これで本当に鋼鉄の心臓は終わったんだね」


「うん。これからは眠れる獅子として活動してもらうことになるってさ」


「そういえば、この組織は眠れる獅子って名前なんだっけ。戦うことになる前は私たちもある程度は情報を調べてはいたけど、どんな組織なのかあまり情報は得られなかったんだよね。それにどうしても欲しかったブラックアルケミストの情報を握られていたのと、お母さんの容態が安定もしない以上、こっちには時間の余裕もなかったから」


「眠れる獅子は一応、世界征服を企む秘密結社だけど……争いを起こすような組織の無力化したりして、最終的な目的は世界平和の実現だよ」


 私から眠れる獅子の目的を聞いた光は苦笑いをする。


「あはは……ごめんね。私と戦う前に明が『魔法少女は平和のために戦うもの』って言ってたなってことを思い出しちゃって。そっか、明は世界平和のために眠れる獅子にいるんだ」


 最初は憧れの魔法少女になれたことに喜び、女子力向上に釣られたのがきっかけであったが……世界平和のために協力したいという気持ちはもちろんある。

 実際に今回の鋼鉄の心臓(アイアンハート)と戦ったことで、自分が本当に魔法少女になったことを実感した。私に少しでも世界平和のためにできることがあるんだと思うと、よりその気持ちが強くなった。


「うん。とりあえず私が入った時もそうだったけど、眠れる獅子についてのその辺の説明はしてくれると思うよ」


 私たちは話をしながら朝食を食べ終えた。


「光が作ってくれた朝食美味しかったよ。ありがとう。さてと……午後のための準備を始めますかね」


 私は席から立ち上がると、テーブルの上に置かれた食器を回収して、それを洗っていく。そして光は隣で私が洗った食器を拭いて片付けてくれた。


 その後、時間まで光と一緒にテレビを見ながら話をしたりしながら、指定された昼までの時間を過ごした。


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