機械と科学の協力関係
「話を戻すが、鋼鉄の心臓とブラックアルケミストは協力関係にあったようだ。先程話したブラックアルケミストが運び込んでいた怪しげな機械なのだが、調べると鋼鉄の心臓で作られたものだということがわかった!」
マスターの調査によると機械技術に特化した鋼鉄の心臓と科学に優れたブラックアルケミストがお互いの目的のために協力し合っていたようだ。
「この二つの組織が協力する理由はわかっているのですか?」
私はマスターに尋ねてみると彼は二つの組織の協力関係について教えてくれた。
ブラックアルケミストは不老不死の研究を第一の目的としている。その研究を進めるためには科学知識だけではなく、優れた機械も必要だった。そこで機械に優れた組織である鋼鉄の心臓が研究に使用するための機械を提供していたようだ。
そして鋼鉄の心臓はブラックアルケミストの知識や研究の一部を提供されることにより、お互いの得意分野を活かした協力関係が出来ていた。
「このように二つの組織は繋がっていたわけなのだがここで問題が出来たわけだ。それは俺たち眠れる獅子がブラックアルケミストを壊滅させたことだ!」
マスターは問題点について説明を続ける。目的のために協力していたブラックアルケミストが壊滅したことで、鋼鉄の心臓はその知識や研究成果を得られなくなってしまった。それにより鋼鉄の心臓は結果として目的を眠れる獅子によって阻まることとなったようだ。
「つまり意図せず鋼鉄の心臓の邪魔が出来たわけですね。でもそのことにどんな問題が?」
どのような形でも争いを利用するような組織の目的を止められるなら良かったのではないかと思う私は特に問題点があるとは考えられないでいた。
「うふふ。それは目的の邪魔をしたアタシたち眠れる獅子への報復ってところじゃないかしらん。マスターから今の話を聞くとだけれど、アタシのアプリコットちゃんに戦闘を仕掛けてきたのも偶然……というわけじゃなさそうだものねん」
「ああ、その通りだ! どうやら鋼鉄の心臓のボスとやらはかなりお怒りのようで俺たちを潰しに来るだろう! だが眠れる獅子はブラックアルケミストを壊滅出来るほどの組織である以上、向こうも本気で来ざるを得ないと考えているはずだ。そこで自分たちの機械技術とこちらのアプリコットで性能差を確認しに来るのと同時に我々のことを探っていたのだろう!」
つまり鋼鉄の心臓との戦闘は今回仕掛けてきた二人だけではなく、組織同士の全面的な戦いとなってしまうようだ。しかし世界の平和を実現し、争いを利用する鋼鉄の心臓の目的を止めるためには負けることは出来ない戦いだと私は感じることとなった。
「とりあえずではあるのですが、現状での会議はこれくらいでいいかと思うのです。ここからはお姉さんの魔法少女特訓と鋼鉄の心臓との情報戦が勝利への鍵となりますのでよろしくなのですよ」
「ああそうだな! 幸いにもブラックアルケミスト関連から得た情報の中に鋼鉄の心臓のボスに繋がりそうなものもあったんだ。恐らくだが協力関係とはいえ、同じ秘密結社同士だから相手が裏切る可能性も考え調べていたのだろう。多少時間は貰うが必ず正体を突き止めてみせよう!」
こうして今回の鋼鉄の心臓に対する私たち眠れる獅子の作戦会議は終了した。とりあえず私は座っていたイスから立ち上がり、作戦会議室から出ようとするとドクターから呼び止められた。
「うふふ。山田ちゃん、早速だけれど魔法少女の特訓を始めるわよん」
「……え、今からですか?」
「うふ。そうよん。アタシはあなたをさっさと鍛えてイケメンを迎える準備をしないといけないもの。というわけでマスターもいいわよねん?」
「おう! 俺は構わんぞ!」
こうしてドクターとマスターによる私の特訓が早速始まるのでした。




