アプリコット vs イケメン幹部
アプリコットとイケメン幹部の戦闘の映像が録画されたのは夜だったようで映像が全体的に暗くて景色などは分かりにくい状況だったが、光が弱まったことにより様子が少しだけ確認することが出来た。二人の立つ場所は少しひらけた広場のような場所でその周囲を多くの木々が立っている。空は曇っている様で星の光もなく、街灯などの明かりになるようなものは全く無いようだった。
「そうそう。言い忘れていたけど、この戦闘は山側で発生したのよん。山の上の方は明かりとか全然ないし、更にこの日は天気も曇っていたから暗くて見えにくくてごめんなさいねん」
ドクターが映像に関して少しだけ補足をした直後、変身を終え機械の甲冑を着たイケメン幹部が話しだした。
「噂に聞いていたこの辺りを縄張りにしているどこかの結社のロボットとはどうやらお前のようだな。ふむ……この機械甲冑デウス・エクス・マキナの性能テストにはちょうどいい相手のようだ」
機械の甲冑を着たイケメン幹部はその場から再び歩き出した。その様子を見たアプリコットは彼に対して警戒体勢となった。
「警告します。武装状態でこれ以上の接近は戦闘開始の合図とみなし攻撃を開始する。繰り返し――」
「上等だっ!」
機械の甲冑を着たイケメン幹部はアプリコットの発する警告を意にも介さず一気に走り出した。その刹那、相手の接近に反応したアプリコットは腕に装備されている銃で射撃し応戦した。
「ハッ! ただの銃撃なんざ当たるかよ!」
機械の甲冑を着たイケメン幹部は更に加速しアプリコットの射撃した弾丸を回避した。そしてそのままの勢いでアプリコットに殴りかかった。
「速いっ!?」
射撃を回避されたアプリコットは咄嗟に防御行動を行おうとした。しかしイケメン幹部の放った拳は、機械甲冑の背面に装備された小型のジェットエンジンのような物により更に加速しアプリコットの腹部に直撃した。
「グワアァァァッ!」
イケメン幹部の拳が直撃したアプリコットは吹き飛ばされ、広場の周囲を囲んでいる木に激突した。
「機械技術なら我が結社が他のどの組織よりも優れているのは明白だが……まさかただの拳一発だけで終わりということはないだろうな?」
機械甲冑による加速を終えたイケメン幹部は吹き飛ばされたアプリコットの様子を見るために近づいていった。
「動かないが……本当に一撃で終わってしまったのか……このデウス・エクス・マキナとの性能差がありすぎたということか」
イケメン幹部がアプリコットの正面に立ち、機能を停止したかを確認しようとした瞬間、アプリコットの目が輝きだし周囲に強力な電撃が迸った。
「何っ!?」
勝利を確信し、油断したイケメン幹部はアプリコットから放たれた電撃を咄嗟に回避しようとするも、完全には避けることが出来ずダメージを受けた。
「くそっ! ロボットのくせに死んだふりとは小癪なっ!」
「あの距離でなら捉えられるかと思いましたが……どうやら自分の考えが甘かったようですね」
電撃を放ちながらアプリコットはその場で立ち上がり、逆に電撃を受けたイケメン幹部は地に膝をついた。
「ただの電撃ならこのデウス・エクス・マキナには耐性があるはずだ……かすっただけで俺自身にダメージを通してくるとは……キサマ、一体何をしたっ!?」
「企業秘密。いえ、結社秘密です」
アプリコットはそう言うと、全身に電撃による閃光を身に纏いイケメン幹部へ向かって突進しようと駆け出した。しかしその瞬間、アプリコットとイケメン幹部の間に何者かが割って入ってきた。




