繁華街探索の終わり
この日は時間も遅くなったこともあり、光ちゃんと連絡先を交換し帰宅することにした。迷っていた道を二人で引き返し話しながら歩いていると、いつの間にか私の自転車を止めていた駅の駐輪場の近くへとたどり着いていた。
「あ、私の自転車ここの駐輪場に止めてあるんだった」
駐輪場に止めていた自転車を回収し、私たちは再び歩き出した。
「駅まで自転車ってことは……明ちゃんが住んでいるところはここまで少し距離があるのかな?」
「うーん……自転車で十分くらい……だったような。もう少し山側に行ったところかな。光ちゃんはどこに住んでいるの?」
「私はこの辺だよ。駅に近いから交通も買い物も便利な感じ」
「駅に近いのはいいなぁ……私のところは近くにコンビニくらいしかなくて」
「そうなんだ。あ、私の住んでいるところはここを曲がるの」
「私はここを真っ直ぐだから一緒に帰れるのはここまでだね……ちょっと寂しいな」
「うん……あ、そうだ。学校が始まるまであと少し日にちがあるから明ちゃんがよければまた会いたいな」
「私は全然大丈夫だよ! 私も光ちゃんとまた遊びたい!」
「それなら良かった」
「それじゃあ帰って落ち着いたらまた連絡するね!」
「うん、じゃあまたね!」
こうしてこの日は光ちゃんとわかれ、それぞれの帰路に着いた。
◇
光ちゃんとわかれてから自転車に乗り、私の住むアパートにして秘密結社眠れる獅子のアジトでもあるリヴェール・ライオンへと帰ってきた。私はアパートの駐輪場に自転車を止め、自分の部屋に戻る途中ドクターの部屋の扉の前で彼と出会った。
「あらあら? 山田ちゃんじゃない、こんばんは。どこかに出かけていたのかしら?」
「こんばんは、ドクター。今日は駅と繁華街の探索に行ってきました」
「うふふ。あそこは色々なお店があって楽しいわよねん」
「まぁ……色々なところがありすぎて道に迷っちゃいましたけどね……でもそのおかげで嬉しいこともありました」
「あら? 何があったのかしらん?」
「私と同じように迷っていた女の子がいまして……途中色々あってその子とお友達になれました」
「うふ。それはよかったじゃないのん」
「はい。あ、それとお昼に寄った喫茶店が偶然マスターのお店でしたよ」
「あら。そうなの。アタシも占いをしているお店が繁華街にあるからたまにマスターのところに行くわよん」
「そう言えばドクターは普段占い師をしているんでしたっけ?」
「うふふ。そうよん。機会があれば山田ちゃんのことも占ってあげるわん」
「あはは。その時はよろしくお願いしますね。それではそろそろ部屋に戻りますね」
「うふ。引き留めちゃってごめんなさいねん。それじゃあまたねん」
ドクターとの会話を終えた私は自分の部屋の扉を開け帰宅した。




