もう一つの出会い
「いいじゃんよー。俺らと一緒に遊ぼうぜー」
「……すみませんがお断りします」
声が聞こえてきた方向を見てみると、そこには男が二人と少し背が低く長い黒髪の女の子が一人いた。会話の内容から男二人が女の子をナンパしているところだろうか。
「こんなところで一人でいるなんてどうせ暇なんでしょー? それなら俺らと遊ぼうじゃんよー」
「だから何度も断っているじゃないですか!」
少しだけ様子を見ていたところ、女の子はしつこいナンパに困っているようだった。私は困っているその子を放っておくことが出来なかったので助けようと思い、男と女の子の間に入っていった。
「ごめんね、待ち合わせに遅れちゃって! さぁ行こうっか」
「うぇ……え?」
急に私が間に入ったことに驚いたのか、女の子は予想外の出来事をすぐに理解が出来ずに固まってしまっていた。
「なになにー? 君、この子のお友達なのー? それなら俺らも二人で丁度いいし、君も一緒に遊ぼうじゃんよー」
「この子も言っていたと思いますがお断りしますね。これから私たちも用事がありますので!」
「え、ちょ待てよ」
話していても無駄そうなので私はナンパ男たちとの話を強引に中断し女の子の手を引きその場を走り去った。
ナンパ男たちを振り切るために私たちはしばらく走り続けた。そして落ちつけそうな場所を見つけると、そこで立ち止まり呼吸を整えナンパされていた女の子に話しかけた。
「ふぅ……ごめんね、強引に引っ張ってきちゃったけれど大丈夫ですか?」
「はい……大丈夫です。あの人たちすごくしつこくて困っていました」
「あはは。私が間に入ってもあの人たち引いてくれなかったですもんね」
「そうですね。でも誰かが助けてくれるとは思わなかったので……あなたが来てくれたことには驚きました」
「私、この町に引っ越してきて間もないのでこのあたりの探索をしていたら偶然見かけまして」
「あなたもですか! 実は私も少し前にこちらに引っ越してきました! それで同じくお店の探索をしていたら道に迷ったのであの広場で休憩していたらあの人たちに声を掛けられまして……」
「あはは……お恥ずかしながら私も迷ってあそこに辿り着きまして……タイミング次第では逆になっていましたねぇ……」
「そうかもしれませんね。……あ、すみません。お礼がまだでした。助けてくれてありがとうございました。私は星野光といいます。今年から高校生になります」
「今年から高校生ってことは私と同じですね! 私は山田明! 学校は桜海学園ですよ」
「本当ですか!? 私も同じ桜海学園です! 私たち、似た感じなんですね。あの……よければその……これも何かの縁でしょうし……山田さん、私とお友達になってもらえませんか?」
「うん! 私で良ければ是非! それと私のことは明って名前で呼んでもらえれば!」
「明……ちゃん。それなら私のことも名前で呼んで欲しいです」
「光ちゃんだね! これからよろしく!」
「はい。明ちゃん、こちらこそよろしくね!」
偶然知り合い、共通点の多かった私たちはこうして友達になりました。




