初めての魔法
「これがあれば魔法が使えるんですよね?」
「えぇそうよん。その魔石で使えるのは雷の魔法。で発動の仕方は変身の時と同じ様に山田ちゃんが使いたい雷魔法のイメージを思い浮かべればいいわ。まぁ習うより慣れろかしら。さぁアタシに向けて魔法を使ってみるといいわよん」
「え……ドクターに向けて使っても大丈夫なのですか?」
「うふふ。これでもアタシは魔法の国の王子様だって言ったでしょう。それに試し撃ちもさせてあげるって言ったじゃないの」
「わ……わかりました!」
私はドクターに言われた様に魔法のイメージをしてみる。
−−私の使える魔法は雷。
−−私の手から放たれる一筋の雷光。
何となくではあるけれど、魔法のイメージは固まった。
「それでは魔法を使ってみますね!」
「うふ。さぁいらっしゃい。あ、そうそう。特に手加減とか考える必要はないから思い切り撃ってみるといいわよん」
私はドクターに手のひらを向けて、自分のイメージした一筋の雷光を放った! 私の手から放たれた雷光は一瞬で真っ直ぐに伸び、ドクターをそのまま貫いた……ように見えた次の瞬間!
「うふ。サンダーバレット!」
ドクターに命中する直前、彼の手からも雷の魔法が放たれた。そしてドクターから放たれている雷が私の放っている雷を打ち消して無効化した。
「うふふ。驚いたでしょう。アタシも一応はそれなりに強い魔力を持っているのよん」
「遠慮なく撃っていいとは言われても当たるかと思っちゃいましたよ! ドクター本当に魔法が使えるんですね! と言うかそれよりも自分で魔法を使えたことに驚きました!」
「あら、一応は心配してくれていたのね。まぁこれでも魔法の国の王子様だもの。当然よん」
「私としてはドクターに当たっていた方が面白かったのです」
「うふ、あれくらいの魔法ならサンダーバレットを使わなくても防御魔法は常時展開しているから特に問題はなかったのよね」
「……面白くないのです」
「あはは……そう言えば私はイメージで魔法を使えるって聞きましたが、契約の時もそうだったけれどドクターは魔法を使う時は詠唱したり魔法の名前を言ったりするのですね?」
「うふ。山田ちゃんいい質問よ。契約は一応、魔石を使った儀式的なものだから詠唱は必要となるわ。魔法についてはアタシもイメージさえすれば使えるの。でも、ただイメージするだけより魔法にも名前がある方が更に強い効果を引き出せるのよん」
「それなら私の魔法にも名前がある方がいいってことですか?」
「えぇその通りよ。そうねぇ、人間で例えるなら……誰かを思い浮かべる場合はただ人間をイメージするよりも『山田明』のように名前がある方がより強く誰かを認識出来るんじゃないかしら」
「……確かにそうかもですね」
「まぁ魔法に限らず名前というものはとても大事なものなのよ」
「名前についてはわかりましたけれど……ただ人前で技とか魔法の名前を言うのは少し恥ずかしい気がしますね……」
「うふふ。それは少しずつ慣れていけばいいのよ。とりあえず山田ちゃんも魔法を使えたのを確認出来たし契約は成功ねん」
「はい。ありがとうございます」
ドクターとの契約により初めての魔法を使った私はこれで本当に魔法少女になれたのだと実感した。




