契約
そしてその魔石にドクターは何らかの魔法の詠唱を思わせる不思議な言葉で魔石に語りかけた。すると私の血で名前が書かれていた魔石が輝きだし、光が収まると元の透明な色へと戻っていた。
「うふふ。これで契約は完了よん。この魔石に山田ちゃんの血で名前を書くことで所有者として登録するのよ。だからこの魔石を扱えるのは山田ちゃんだけなの。あとはこの魔石を加工してアクセサリーにでもして持っていれば魔法が使えるわよん。そうねぇ……加工は指輪でもいいかしら?」
「私にはよくわからないのでドクターにお任せします」
「それじゃあアタシ好みのデザインにしちゃおうかしら?」
ドクターのその言葉を聞いた私はふとアジトにある彼の研究室の扉を思い出した。
「えっと……シンプルなのでお願いします!」
「あら。せっかく色々とアタシ好みにしようと思ったのに残念だわ。とりあえず早速加工してくるから待っててちょうだいねん」
ドクターはそう言うと部屋から出ていき、魔石をアクセサリーに加工するために自分の研究室へと向かっていった。この部屋に一人残った私はドクターが戻ってくるまで魔法少女に変身した時の身体能力強化魔法の効果を少し試してみることにした。
とりあえず走ってみる。すると普段走る感覚よりも体が軽かった。元々運動能力は悪くなかったが、軽く走っただけでも通常時の二倍くらいの速さで走れている気がする。それに走り終わっても疲れが全くなかった。これがドクターの言っていた杖に付与された身体強化魔法の効果の一部だと言うことが理解できた。
「ふむ……ドクターから少しお話は聞いていましたのですが、それが身体強化魔法の効果なのですね」
突然背後から声が聞こえたので私は後ろを振り返ると、そこにはエリーちゃんが立っていた。




