ドクターの正体
ドクターの後についていった私は彼の部屋から眠れる獅子の地下アジトへと降りていった。二日連続で地下へは降りているので少しずつ慣れてはきたけれど、一部屋まるごとエレベーターのように地下へ降りていくのはやはり不思議な感覚……だと思っていると部屋全体の動きが止まった。
「うふ。地下アジトに着いたわよん。今回は戦闘訓練などが出来る多目的スペースへ行きましょう」
アジトの入口から私達は中に入り、ドクターの案内でその大部屋へと向かった。
「ここって改めて考えると結構広いですよね」
「うふふ。えぇそうよ。この地下アジトはアタシが作ったのよ。まだまだ見せてない部屋があるからそのうち案内してあげるわん」
ドクターと話しながらアジトの廊下を進んでいると多目的スペースと呼ばれる部屋の扉の前に着いた。
「うふ。ここよ。さぁ入って入って」
ドクターは扉を開け中に入り私はその後に続き部屋へと入った。すると中は学校のグラウンドくらいの広さの空間が広がっていた。
「うふふ。広くてなかなかいい部屋でしょう。ここは色々な目的に使える場所なのだけれど、主にはアタシの発明品の実験やマスターの戦闘訓練に使うことが多いかしら」
「確かにこの部屋なら多少暴れても問題なさそうですね」
「うふ。それじゃあ早速だけれど魔法少女になる為の本契約をしましょうか。山田ちゃん、まずは変身してもらえるかしらん」
ドクターに変身をするように言われた私は魔法の杖を構えた……が、以前の変身は自分の意志ではなく勝手に変身してしまったのでどうすればいいのかがわからなかった。
「あの……ドクター?」
「あら。なにかしらん?」
「この前は勝手に変身しちゃったので変身の仕方がわかりません!」
「あらやだ、アタシったら……それを教えるつもりだったのも忘れちゃってたわ」
「それを教えてもらうためにここまで来たわけなのですが……」
「うふふ。山田ちゃんが初めて変身したのは杖にアタシが理想とする人物が触れた時、その杖に込められた魔法を使えるようになる仮契約が発生するの。で、その杖に込めた魔法なのだけれど……一つ目は身体能力を強化する変身魔法。二つ目は杖が武器に変化する魔法よん。その杖の場合は大きな鎌の形状になるわ。あ、別にアタシがこんなのだから大鎌ってわけじゃないわよん」
「はぁ……と言うかドクターが魔法を杖に込めたと言うことは……ドクターは魔法が使えるということですよね? ずっと気になってはいましたがドクターって何者なのです?」
「うふ。秘密結社のドクターと普段の占い師は仮の姿で、実を言うとアタシは魔法の国の王子様なの」
「え……? えぇ!?」
「あらあら。まぁそんな反応するだろうけれど一応は事実よん。何よりも山田ちゃんは魔法の杖で実際に変身できたのだから信じるしかないのじゃないかしら? ちなみに他の眠れる獅子のメンバーは既にこのことを知っているわ」
確かに普通に考えれば杖に触れただけで変身出来てしまうことなどあり得ない……とは言え、魔法の国の王子様と言われてもすぐに理解を私は出来なかった。




