プロローグ
私、山田明は幼い頃にテレビのアニメで魔法少女を初めて見た時、可愛い服を着て魔法や不思議な力で悪と戦うその姿に憧れを抱いた。魔法少女のように誰かを守れる私になりたい……いつからかこう思うようになっていました。
その憧れを抱いたまま小学生となった私はある日、幼馴染の女の子が男の子にイジメられているところを見てしまいます。魔法少女のような正義の味方でありたいと思っていた私はその男の子と喧嘩をし、幼馴染の女の子を守ることが出来ました。
――ここまでは良かったのでしょう。
その数日後、私が男の子と喧嘩をして泣かせたことが噂として広まり男の子からは『男女』と呼ばれることになりました。勿論、そのことをからかいに来る者は多くいたのでその度に喧嘩となる状況が続いているうちに私はどんどん男勝りな性格や言葉遣いになっていきました。本当は幼い頃から憧れていた魔法少女のように強いだけではなく女の子らしく可愛くもありたい……と思っていても今となっては周りの目や反応が気になり恥ずかしさでそれも出来ないでいました。
そして時が経ち、そんな私も今年の春に高校生となりました。
中学生時代まで男勝りで男子を殴ったり、言葉遣いや私服も男っぽかったりで周りから『男女』と呼ばれてきた私だけれど、この機会に地元から離れた高校を受験し一人暮らしすることとなりました。今までの私を知る人がいないので、これからは女の子らしく大人しい私で高校デビューしちゃいます! そんな日々がこれから始まっていく……のだと思っていました。
現在、私は世界征服を企む秘密結社で魔法少女として幹部の一人となり日夜征服活動をする日々。
「なんでこんなことになっちゃったの!?」
一人暮らしの為に引っ越して来た初日。私が住むこととなったアパートの管理人さんに挨拶をしに行ったことが全ての始まりとなったのでした。