表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/70

黎明の月 8日 大海原と大海賊 その5

「沈める・・海賊たちを殺すというのですか?」

「そう言ったつもりだが、君には伝わらなかったみたいだね」


 セリウスの言葉に、サラは顔がかっとなるのを感じた。

 相手は海賊だ。それは分かっている。

 相手が自分たちを殺そうとしていた。それも分かっている。

 実際に戦闘になっていれば、海賊たちが帆船に乗り込み戦いになっていたならば、死者が出てもおかしくない状況だった。それは船員や冒険者たちだけではない。乗客も含めての被害だ。

 それを防ぐには海賊と戦うしか方法はなかった。

 そう、殺すか殺されるか、それ以外の選択肢など無かったのだ。


「ならば君に問おう。君はあの海賊たちをどうしたいんだい?」


 セリウスの問いに、サラは答えられない。


 たとえ助けたとしても、海賊は陸に上がれば縛り首だ。それでなくても一般の乗客のいる船に海賊を乗せるわけにはいかない。どうしても助けることなどできないのだ。

 海賊船は大破した。わずかばかりの破片が海上に漂っているが、海に投げ出された海賊たちが助かる望にはなり得なかった。


「これは私なりの慈悲なんだよ」


 セリウスの言葉にサラは頷くことも首を横に振ることもできなかった。

 他の冒険者たちは何も言わない。言えるはずもなかった。相手は賢者とまで呼ばれる人物だ。

 下手に反感を買ってしまっては、どうなるのか想像もつかない。


「ミルティーン彼らに安らぎを」

「待て!」


 海に飛び込もうとしたミルティーンの手を掴む者があった。

 ミルティーンは動きを止め、手と掴んだ者を、望を驚いたような顔で見つめる。


「海賊が許されない存在だということは分かった」


 まっすぐな目で、ミルティーンとセリウスを見つめる。


「それでも、オレはこのまま海賊たちを殺すことに納得いかないんだ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ