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梟の月 9日 最弱勇者と幽霊伯爵の館 その12

「ミランシャ!とにかく走り続けろ!」


 今にも死にそうな声が響く。

 望にい言われるまでもなく、ミランシャは全力疾走だった。

 後ろに続く望もヘロヘロになりながらついてきている。

 その後ろには、四つん這いになり張って追いかけてくる女の姿。


「なんか、おばけを撃退できるような魔法ないの?」

「やってみたが、全然効かん!」


 そんな!とミランシャは絶句した。


「聖なる光!」


 望から光が放たれるが、それは女を怯ませることもなくそのまま消えていく。


「嘘でしょ!もう、役に立たないんだから!」

「うるせぇ!」


 望も必死だった。


 石の回廊を進むうち、やがて靴音が変わった。気づけば木の床の廊下を走っていた。


「「「「「「「「もう、いい加減にしてください!」」」」」」」」

「「まあ、落ち着いて・・」」


 二人の耳に、聞きなれた仲間の声が聞こえた。


「サラ様の声です!」


 ミランシャが嬉しそうに叫ぶ。迷走しているうちに、サラたちのいるところまで走ってきたいたらしい。

 安堵と共に、体中から力が抜けていく。

 それは望も同じだった。

 しばらくしか離れていないにもかかわらず、いなかった時の心細さと寂寥感は半端なかった。


「おーい、サラ!」

「「「「「「「「ノゾーミ!」」」」」」」」


 応えるサラの声に、違和感を感じ、望の走りが止まる。目の前には同じく立ち尽くすミランシャの姿があった。


「サ、サラ様、ルカリオ・・・・・!」


 驚きと歓喜の入り混じったミランシャの声。


「なんじゃこりゃ!」


 望の目の前には、望とミランシャに会えたことに喜びの表情を見せるサラx8と、困惑を通り越してあきれ顔のルカリオx2の姿。


「おいおい、ゲームの増殖バグかよ・・・」


 望の呟きが、廊下にこだましていった。

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