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幕間の章「引き金」
幕間の章「引き金」
お父さんをうち殺したかんしょくが、今でも忘れられない。
夜、とつぜん起きる時は、いつもお父さんが見ている。ぼくに、笑いかけてくる。
ぼくがお父さんを思い出すのは、義務なんだとおもう。
じゅうをかまえた。重くて腕が自然とふらついた。頭の後ろのじゅうこうも、ゆらゆらとゆれている。
げきてつを下ろした。がちゃりと、むきしつな音がなった。もう、もどれない。そう感じた。
狙いを定めた。声が聞こえた。誰のか分からない。ぼくのどこかが、まっしろになる。
覚悟を決めた。心はまだ震えた。でも、指は震えなかった。自分をころしたから。
引き金を引いた。お父さんは、ただ悲しそうなだけだった。