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序章「回想」

序章「回想」

―2109年


 ねぇ。これは、ある人のお話し。

 居所を求め

 普通を求め

 救済を求め

 生を求め

 愛を求め

 夢を求め

 苦を求め

 何も求めず


 そして、叶わなかったお話し。


 彼らは、どこまでも不運だった。

 あの都市が生まれ、多くのものが変容を余儀なくされた時勢。まさしく、激動の時代だったの。

 彼らは下界という新たな世界の第一世代として生を受けた。

 それは、全ての礎とならなければならないということなの。

 憎しみも、絶望も、死までも、何もかも背負わされる………。


 うん、本題に入る前に、前置きといこうかな。 私は、貴方がこれを聞こうとする理由も、思い立った切欠も、聞かない。

 私はただ、このお話しの語り部だから。 でも、貴方はこのお話しを絶対に、誰かに尋ねてはいけない。もちろん、自分から喋るのも禁止。

 お話し自体は、噂として下界に拡散しているけど、細部まで知れるのは貴方だけでしょうからね? 

 貴方はお話しを聞く資格を持つと同時、自分一人に物語を封じ込める責任があるの。

 まあ、貴方に吹聴する暇なんて、ないでしょうけど。

 新たなる継承者となる、貴方にはね。


 では、お話ししましょう。

 世界で最も残酷な下界で、最も残酷で数奇な人生を送った少年少女の物語。

後世まで語り継がれる筈だった、とある世界の物語。

 その運命を絶望に染め

 その運命を復讐に染め

 その運命を憎悪に染め

 その運命を悪道に染め

 その運命を犠牲に染め

 その運命を憧憬に染め

 その運命を約束に染め

 その運命を生贄に捧げ


 その運命を、探し続けた物語。





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