第4話 謎の少女魔導士、現る
夜の森。
月明かりの中、俺とリリアは“若返り薬草”を探して奥へ奥へと進んでいた。
「ひぃっ……夜の森ってこんなに怖かったっけ……?」
「おじいちゃん、杖につまずかないでね!」
(いや今つまずいたら終わりだよ?
90歳だぞ? 崖まで転がるぞ?)
そう愚痴っていた、その時。
――ピシャァァン!!
空気が裂ける音がした。
雷のような光が森に一瞬走る。
リリアが俺の腕にしがみつく。
「おじいちゃん……何か来る……!」
茂みがざわりと揺れた。
次の瞬間。
白い外套をまとった“小柄な少女”が、ふわりと宙に浮いて現れた。
「……ようやく見つけたわ、炎雷のガルド」
(え……俺のこと!?
いや俺じゃなくてこの身体の持ち主のこと!?)
少女は長い銀髪に、深紅の瞳。
年齢は14〜15歳ほどだが、ただ者じゃない気配を放っている。
杖の先端には青い魔力が渦巻いていた。
俺「えーっと……どちら様?」
少女は冷たい視線を向け、ため息をついた。
「その“老人の皮”……中身は別人ね。
私には分かるわ」
リリア「!!」
(おいおいおい!
孫より先にバレるなよ俺!!)
少女は俺の顔の前までスッと飛んできて、
じっと見つめた。
「あなた……ガルドが残した“雷の核”を継いでる。
つまり、私にとって――」
杖が光り、森が震える。
「最大の邪魔者よ」
「邪魔者!?
ちょ、おじいちゃん殺されるやつ!?!?」
俺「ま、待って!話せば分かるはず――」
少女は微笑んだ。
それが怖い。
めっちゃ怖い。
「安心して。殺さないわ。
ただ、あなたには“使い道”があるの」
俺&リリア「使い道!?」
少女は杖を向け、言い放った。
「ついてきなさい。
あなたが“村を滅ぼす未来”を止める鍵よ」
(は???)
未来? 滅ぼす? 鍵?
なんのことか分からない。
だが少女の表情は真剣で、冗談ではなかった。
リリアが震える声で聞いた。
「あなた……名前は?」
少女は振り返り、短く答えた。
「セラ・ルーメン。
滅びの魔導士よ。」
風が吹き、火が揺れ、森が静まり返る。
俺の90歳ライフ、穏やかに終わるはずが――
ここから本格的に狂い始めるのだった。




