適合率120%の裏勇者

3年前の10月、巨大彗星が地球に接近した。
みんな浮かれていたがあの日、世界的な通信障害が発生し、丸2日間通信が止まった。

3日目、通信障害は復旧したがゴーンゴーンゴーンというベルのような音と共に世界各地で空間が裂け、ゲートが出現した。

ゲートが出現したは良いものの、何か起きるわけでもなかった。
ゲート出現と同時に世界各地で超能力に目覚めたみたいな報告が多数出た。

SNSや動画投稿サイトで超能力を使った動画がバズり、世界はオカルトブームとなった。

事態が急変したのは3ヶ月が経過した翌年の1月だ。ゲートが急にぱりんと割れ、中から魔物が溢れ出してきた。

真っ黒な人と獣の中間のような見た目をしたものが物凄いスピードで溢れ出し人々を蹂躙し始めたのだ。

日本は自衛隊が応戦したが全く歯が立たなかった。人類の兵器ではまるでダメージがなかった。

しかしある人物が生身で魔物と戦っているのがカメラにおさめられた。しかもダメージが通っている。その人物は全身に光を纏っていた。

ネットでは超能力じゃね？という噂が流れた。
それらの噂が確信に変わるのは早かった。世界各地で続々と魔物に対抗できる人間が現れたのだ。

とあるインフルエンサーが超能力に目覚めた人間を覚醒者、超能力をスキルと呼んだことでそれらは固有名詞となった。

そして現在に至る。