センパイ 後輩
「これより、第112回日本魔法学校の入学式を
始める。」
こんにちは、佐藤零です。僕は今、魔法学校の入学式に出ています。そんな事を1年前の自分に言っていたら、鼻で笑われるでしょう。今も、自分が魔法使いになるなんて半分くらいしか信じていません。
「〜新入生諸君、これからこの学校で、勉学に励み、立派な魔法使いになってくれたまえ。」
そんな事を考えていたら、
入学式が終わっていました。
「お疲れ〜」
手を振って望月さんが僕を呼ぶ。
「望月さん!お疲れ様です。」
「ミッチーで良いって言ってるのに。」
「そういう訳には…」
「それなら、師匠って言うのはどうかな。」
それならいいかな。
「おーい、センパーイ。」
望月が振り向く。
「お久しぶりです。先輩。」
「おお、蓮じゃん。おひさ。」
二人がハイタッチする。
「えっと、この人は?」
零が首をかしげる。
「あぁ紹介するよ。こっちは後輩の蔦屋蓮。」
「蓮です。よろしくお願いします。」
零の手を取り、優しく握る。
「てか、早く行かないと、道迷うよ。」
望月が零の背中を押す。
「いってらっしゃい!」
「はい」
ここから、僕の学園生活が、始まる。
零が教室に向かって走って行くのを見送って、蓮が話し始める。
「てか先輩、今度ピクニックどこ行きます?」
「適当な所で良いよ。後で教えて。」
手を振って答える。
「てか、サンドイッチ作るけど、何がいい。」
「卵とかが良いですかねぇ。できればキュウリはないほうがいいですけど。まぁ美味しければ良いですよ。」
「よーし、分かった。いい材料集めるかぁ。」
望月は腕を捲り、ガッツポーズをする。
蓮は苦笑いする。
「いや、そこまでしなくても良いですよって。」
蓮は時計を見る。
「てか、時間じゃないですか。センセイ。」
望月は時計を振り返って慌てる。
「やべぇ。校長にしばかれる。」
そう言うと、キューブを開き、テレポートした。
「ちょ、室内でそれは…」
遠くから、建物の壊れる音がした。
「あ~あ、まぁ良いか。」
笑いながら、蓮は仕事に戻って行った。