第91話 拒絶の森を開発する
新たな眷属を得て、当初の目的を終えて帰るのかと思ったのですが、夕食まで時間があるからちょっとだけ森の開発を行います。
拒絶の森で2つの心に魔力を注いだことで、新たな眷属イリスとクリスを迎えたの。
拒絶の森へきた目的は終わったので、ユーザニアの屋敷へ戻ろうかと思ったんだけど、夕食まではもう少し時間があるみたい。せっかくなので、食材の確保に必要な水田や菜園の開拓でもしようかと思った。思えば即行動するのが心情なので、トライアに声をかけてみることにした。
「トライア、この場所に水田と菜園を作ろうと思うんだけどさ、どこか希望の位置とかはあったりするのかな？」
「はい、ウリエル様と色々と話し合いをした結果。水田地帯は水路の近くに配置して、野菜などは水路より少し離れた水捌けの良い場所に配置しようかと思ってます」
「なるほどね、それで人が暮らす居住エリアなんかはどうなの？ 本拠地の近辺に配置するん感じになるの？ それなら居住エリアよりも下流に作った方がいいよね？」
「はい、居住エリアは本拠地を中心に、5km四方の碁盤状に区画を整えたいと思ってますので、その範囲から外れる場所に作りたいと思っています」
トライア達は任された仕事をしっかりと進めている。本当に私の従者たちはみんな働き者だ。私はトライア達を褒めておく。
「この短期間でキッチリと開発を進めているね。この調子で頑張ってね！」
「お褒め頂き誠にありがとうございます」
「うん。それじゃ、私は自分の仕事をしちゃおうかな？」
私は豊穣の女神セーラ様の加護〚天変地異〛を使って、居住エリアにする予定の場所を更地にする。まずは地面に手を付けて魔法を発動する。
「イメージ完了！いくよ〚天変地異〛！」
流石は女神の加護で得たスキルだけあって、一瞬でイメージ通りの更地に仕上がった。元々その場所にあった木材や石の全ては〘無限収納〙へ保管して、必要な時に有効活用することにした。
従者たちはもっと驚くのかと思ったけど、「アリス様なら当然です」と言って平然としていた。ようやく普通のことだと判ってくれた。
次は農業エリアで、水田地帯は水路を両側に5km×2km程度の規模に決め、野菜などの菜園地帯はそこから5km×5km程度の規模に決定すると、居住エリアと同様に〚天変地異〛で更地にしてから耕したの。
さらに水田は100㎡単位に区分けをして、畑も同様に区分したところで、日が暮れ始めたのでこの日の作業を終了する事にした。
「ふぅ、とりあえずはこんな感じでいいかな」
「アリス様、お疲れ様です。紅茶を用意致しましたのでご休憩下さい」
「うん、喉が渇いていたんだよ。ありがとう」
アナが私の作業が終るのを確認すると、紅茶を用意してくれたので、ひと息つくことにした。少し紅茶に口をつけた後に菜園のことで指示をしておく。
「トライア、簡単だけど菜園の形は出来たからね。栽培したいと思う苗や種があればウリエルを通して連絡してくれるかな」
「かしこまりました」
こうして、拒絶の森の本拠地での仕事を終えたので、ユーザニアの屋敷へと戻ったあとは、湯浴みで汗を流してから夕食を取り、その日の予定は終えたので就寝をすると、突然アネモネ様からのコンタクトがあったの。
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