第85話 20階層のボス達
前人未到の領域への挑戦!
無事に大偉業を達成することはできるのか?
20階層のボス部屋へと足を踏み入れる。
目の前は霧で何も見えない状況で、いきなり攻撃を受けるかも知れないので、十分に警戒をする。
『スゥーッ』
魔物からの不意打ちはなく、徐々に霧が薄れてくるが依然と視界は悪い。
「少しずつ視界が開けてきたけど、何が起こるか判らないから注意を怠らないでね」
「「かしこまりました」」
注意を怠らずにいると、ようやく霧が晴れてくると薄っすらと魔物の影のような物が見えてきた。白骨化した体にボロボロのローブを纏った魔物が1体と、頭部が獅子で尻尾2本が蛇の魔物が2体現れた。
これまでの魔物とは全く違ったので、3体の魔物を鑑定をして確認する。
【死靈王 】Lv50
【HP】1500
【MP】2000
〚死霊召喚〛〚火魔法〛〚シールド〛
【キメラ Lv30】
【HP】800
【MP】550
【筋力】500
【防御】600
【敏捷】300
〚鋭爪〛〚毒息〛〚牙突〛〚身体硬化〛
なんだこれ? 滅茶苦茶強いんだけど……、これほど露骨に強くなると、これまでの最深到達点が19階層までだったことが頷けちゃうね。当然だけど、この魔物達は私にしか倒すことが不可能だと思うので、従者達には身を守ることを最優先にしてもらう。
私は従者達へそのことを指示する。
「この魔物達は今までの相手とは桁が違い過ぎるから、私が相手するからね。みんなは自分の身を守ることを最優先にすること。
死靈王が死霊を召喚するから、それを撃破をしていくこと。とにかくあの3体は絶対に手を出しちゃだめだからね。これは主としての命令だよ!」
「「しかし……、かしこまりました」」
3人は納得していないだろうと思うけど、主従契約を交わしてるので、私の命令には従うしかないはず。あとは目の前の魔物達に集中して倒すのみだ。
私は〚光纏〛を発動させてから、神速でキメラ1体へ斬撃を撃ち込んで仕留めにいったけど、死靈王がキメラに〚シールド〛を張っていたことで、斬撃はシールドによって和らげられた。さらにキメラ自身が〚身体硬化〛のパッシブスキルを発動をさせてるために、ダメージはほとんど通らなかったようだ。速攻で1体を倒して数を減らすことは叶わなかった。
(想像以上に厄介な相手みたいだね……)
そして余っていたキメラが、私へ鋭い爪を向けて〚鋭牙〛で襲いかかってきたところを、ゼシカの矢がそれを阻んでくれた。次に死靈王が〚死霊召喚〛で死靈を4体召喚する。アナとリューネの方へ向かって行くが、2人は火魔法で全てを焼き払った。〚身体硬化〛で物理攻撃が通り難いので、キメラへ水と雷の複合魔法を放つ。
「これはどう?〚水刃雷鳴〛!」
『シュバッ!』
雷を帯びた水の刃がキメラの尻尾に当たると、蛇の姿をした尻尾がその場に落ちた。尻尾が落ちると同時に〚身体硬化〛の効果が切れたようなので、双刀で連続攻撃を仕掛けようとすると、もう1体のキメラが大きな口を開けて鋭い牙を出して〚牙突〛で突っ込んで来た。私は完全に隙を突かれて、躱すことができず牙が左腕を掠めたのだった……。
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