第30話 光の絆
ゼシカの装備も無事に揃えることが出来たので、私達は【拒絶の森】から最も近い集落の【ポロ村】を目指すことにしたの。
苦労して森を出たんだから、世界中の色々な景色を旅しながら楽しみたいもんね。
「さぁ、森を抜けてポロ村を目ざすんだけど、ゼシカのレベルを上げたいからさ、魔物を討伐しながら村を目指すけど大丈夫かな？」
「従者として守られるのではなく、自分の身を守れるくらいの強さを身に着けたいです」
「うん、サポートするから頑張ろうね！」
「かしこまりました」
これまでは独りボッチで狩りをしてたけど、魔物を倒さないと経験値は得られないはす。たからゼシカが1人で魔物を倒さないといけないのかな？ 経験値をシェアする方法とかってあるのかな？ なんて考えてると並列思考がいつも通り答えてくれたの。
本当に頼りになる相棒だね！
『アリス様、この世界には【パーティーシステム】という物が存在します。パーティーを設立をすると、パーティーメンバーを編入することができるようになります。パーティーは最大6人まで編成が可能で、戦闘で得られた経験値を等分することが出来ますよ』
『おぉ、ありがとう！早速試してみるね』
私は並列思考の言った通にパーティーを設立して、ゼシカをパートナーメンバーとして編入することにした。
「ゼシカ、これから私がパーティーを設立するからさ、パーティーメンバーになってもらうからよろしくね」
「かしこまりました」
「アリス.フェリシアスがパーティー【光の絆】を設立する。そしてゼラーシュカをパーティーメンバーへ編入する」
これでゼシカがパーティーメンバーになってるはずなので〘解析鑑定〙で確認してみる。
【名前】ゼラーシュカ
【種族】ハーフエルフ 9歳
【Lv】 1
【職業】狩人
【所属】光の絆
なるほどパーティーに編入されると【所属】という項目が出るんだね。
これで経験値をシェア出来るから安心だね。
パーティー編成が終わったので、私達は討伐をしながら【拒絶の森】を抜けてポロ村を目指すことにしたんだけど、あることを思いついたの。
普通に移動して【拒絶の森】を抜けるのに最低でも3日は掛かる。抜けてからポロ村まで更に3日は掛かるので、行きはゼシカのレベル上げも兼ねてるから良いけど、帰りは空を飛べばそこそこ早く帰れるけど、一瞬で帰る方法はないかを考えたの。
魔法陣のような物を設置して、魔法陣と魔法陣を繋げて移動するイメージを脳裏に浮かべると、並列思考から嬉しい報告を受けたの。
『アリス様が思い浮かべられたイメージを元に〘天才〙が転移魔法陣同士による空間移動を理解してスキル【転移魔法】を習得しました』
こんなに簡単に【転移魔法】を習得出来るなんて優秀過ぎる。流石は〘天才〙だね！
私はサロンに転移魔法陣を設置してから、ゼシカを連れて魔物を討伐しながら、ポロ村へと向かって行ったの。
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