第29話 ゼシカの装備を揃えよう
生活拠点を改修したあと、サロンでゼシカと寛いでると『ふっ』と気付いたの。これからはゼシカも連れて行動することになるのなら、ちゃんとした装備類を揃えてあげないと、魔物との戦闘で命の危険に遭ってしまう。
そんな訳で、寛ぎの時間を一旦中止して、ゼシカの装備一式を揃えてあげることにした。
「ねぇ、ゼシカってさ、一応は弓や魔法は使えるんだよね?」
「えっと、祖父からは弓の手ほどきは受けていますが、魔法は学んだことがありません」
「OK!私は魔法だけは得意だから教えるね。弓は【光樹】の枝を使えば作れそうね」
「私はまだ子供なので、可能なら短弓でお願いします」
「OK!」
武器は取り敢えず【光樹】で弓を作ることにして、次は防具なんだけど、狩人ってどんな感じの防具が良いのか判らないので、ゼシカに防具のリクエストはないか聞いてみる。
「鑑定した時に確認したんだけど、ゼシカの職業は狩人になってるんだけど、防具ってどんな感じが物が良いのかな?」
「エルフは筋力が低いので、祖父は動きやすい軽装備でしたね。鎧等ではなく胸当てや篭手に脚袢あとは靴ですかね」
「ゼシカはちゃんとお爺さんのことを見てたんだね。えらいえらい!」
「えへへ! ありがとうございます」
ゼシカの意見を聞いて作る装備が決まった。私は保管していた光樹の枝や、風竜の鱗を使って〘万物創成〙の力で装備を『サクッ』作ってみる。
【光の短弓】
「これは光樹の枝を加工した弓だから、とても丈夫で軽いよ」
【風竜の胸当て】
【風竜の篭手】
【風竜の靴】
「防具は風竜の鱗を加工した物だから、軽くて丈夫で動きやすいよ。使ってみて不具合があったら調整するから、遠慮なく言ってね」
「アリス様、このような高価な装備を頂く訳にはいきません……」
ゼシカは、高価な素材を使った装備を渡されて、困惑気味に受取ることを拒否した。でも、この装備は命を守るための物だから、受け取ってもらわないと困るので説得する。
「これはね、あなたの命を守る装備なの。私は主として従者の命を守る義務があるの。これを装備するのは私の為でもあるんだよ」
「アリス様のため! 判りました。従者への配慮に感謝します」
なんとかゼシカは装備を受取ってくれた。
私には主として従者の命を守る義務があるんだから、用意できる最高の装備を渡すのは当然のことだからね。
この作品を読んで【なかなか面白い】【続きを読みたい】と思われた読者様へのお願い。
・ブックマーク
・いいね♪
・評価の「★★★★★」
をして頂けると、作者のモチベーションが上がりますのでよろしくお願いします。




