第36話 役目の終わり②
§アネモネ視点§
やがて私達七神は、●●様の代行者として人々の信仰を得るようになった。更に、オドレイさんが【七神女神教】を興したことで、その流れは飛躍的に加速することになるのだが、●●様は人々の信仰が私達に向けられることを快く思わなかった。やがて●●様は七神女神ではなく、名を忘れられた自分への信仰を求めるようになり、私達を信仰する人々へ攻撃を仕掛けるようになった。私達がその行為を咎めると、●●様からは信じられない言葉が返ってきた。
「図に乗るな! 我の役に立てば良いものを、調子に乗って本物の神にでもなったつもりなのか! お前達のような失敗作は処分して、新たな神を創造することにしよう。そして、我を忘れた下民どもを恐怖の下で支配してやる」
これまで感じたことのない憎悪に満ちた言葉を向けられた瞬間、●●様は信仰する尊き神ではないと気づいたのだった。そして同時に頭の中にジャミアという名が浮かんだ。
ジャミアは七神女神を処分した後に、世界を恐怖で支配するなんて所業を口にした。力の差は歴然で、私達が勝利することはないと判っていても、ジャミアと戦うことを決意した。実際には全く歯が立たず、私達は深い傷を負い追い込まれ、共に戦った人類に至っては全人口の3割を失った。このまま成す術なく敗れるのかと思ったそんな時、オドレイさんの娘サツキさんが現れた。
ジャミアによってこの世界に強制転移されたサツキさんは、ジャミアに対して命に関わる攻撃を仕掛けることができないという制限をかけられていた。それでも私達に力を貸して消滅の一歩手前まで追い詰めることができたのだった。
サツキさんは、1000年以上の時を経てジャミアが復活する未来を知った。同時にジャミアを倒す存在アリスさんが現れることを知った。だから拒絶を託す為に自らの生涯を終えた。やがてアリス様が転生して拒絶の後継者となり、サツキさんの言った通りにジャミアをこの世界から消滅させた。
(サツキさん、遂にジャミアが消滅しましたよ。私も七神女神としての役目を終えて、あなたとオドレイさんの下へ行ってもいいですよね?)
私はアリス様の下へ、命の女神から解放してもらう為にルミナスの森へ向かうことにした。
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