第16話 邪神の企み
1回目の合同演習から1ヵ月が経ち、2回目の合同演習が行われる。前回の1年のみの合同演習とは違って、全学年での大規模な合同演習になるの。そして1年のSクラスは、大草原ではなく上級生達と一緒に森林で殲滅を行うことになるらしい。
私としては森林へ入る前に、もっと経験を積むべきだと思っているけど、英傑学園ともなるとスパルタ教育は当たり前ということなのかな? ただ、王国や帝国の王侯貴族子女が通っているのだから、もう少し安全に配慮をするべきだと思う。実際のところ、命に関わる負傷をした場合は教師が駆け付けて、即座に治療に当たって治してくれるのかな? まぁ、最悪の場合は私のクラスメイトだけは治療するけどね。
英傑学園を出発して馬車での移動は、リオネル君が王子パワーを使って大型の馬車を用意した為に、十傑全員が馬車に乗ることになったの……。
「今回は王家専用の場所を借りたぞ! 今後の合同演習はずっとこの馬車を使う、十傑全員で移動するから喜べ!」
「「……」」
「おい? どうしたのだ?」
「移動くらい女子だけで静かに過ごしたい」
「「その通り! むさ苦しい」」
「「!?」」
ハッキリ言って女性陣は大迷惑である。私の馬車は『ガタガタ』と揺れることはないのに、王族専用の馬車とはいえかなり揺れるのだ。しかも、男性陣にやたらと話しかけられて騒がしい……、次の合同演習は絶対に拒否すると心に決めたのだった。
§ジャミア視点§
小娘の力を確認することはできなかったので、常に行動を共にする3人の従者の力を見て、小娘の力を想像することにした。
(これは……、なんなのだ?)
3人の従者達のステータスは、この世のレベルを遥かに超えているではないか! 特に魔力は飛び抜けていて、全種族を含めてもこの世のトップに近いと言っても良いほどだ。この3人を従える小娘は当然だがそれ以上ということになるのか。
七神女神の加護を持つことを考えると、無視をすることはできない存在ということになる。幸い今回の合同演習は森林で行われるので、相手の隙をついて仕掛けるには絶好の場所になるはずだ。邪神徒のガキに【呪魂の首輪】を持たせて小娘を始末するとしよう。この首輪の呪力はこの世の魔法では解除することは不可能。それは命の女神アネモネの力でも解除はできないので、確実に殺すことができるだろう。まぁ、死に往くまでの間はガキ共に蹂躙され絶望の中果てて逝くことになるのだがな。
小娘を処分した後は七神女神共を滅ぼして、再び我がこの世界の唯一神として復活するのだ。
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