表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
激レア種族に転生してみた(笑)  作者: 小桃
最終章 優しい世界
195/224

第9話 初陣

 合同演習初日は昼の討伐を担当することになり、隊列を組みながら大草原を進んでいる。


 隊列は男子が前衛、女子が後衛となっている。理由は単純で、魔物の血飛沫で装備や服が汚れるからだ。活動拠点のテントは睡眠をとるためのもので、そこでは濡れタオルで身体を拭く程度しかできないの。男子なら人目を気にすることなく、川で水浴びができるけど女子はそうはいかないからね。セイレーンとマリアンヌが『汚れたくない』と言ってことで、男子は快く前衛を引き受けてくれた。


 雑草の高さは膝くらいで見通しはいい。私が隊列のリーダーに任命されたので、後ろから前衛に注意事項を伝える。


「背の低いゴブリンは、身を低くして隠れていない限りは強襲されることないはずだから、注意が必要なのはグラスウルフかな?」

「「了解!」」


 そうは言っても、私は周辺の気配に気を配らせているので、絶対に強襲されることはないんだけどね。私と従者にとっては雑魚でも、マリアンヌを除く他のクラスメイトは未経験者だから、緊張感を持って欲しいのでそのことは伝えていない。


『ガサガサッ』


「みんな、止まれ! 前方に何かいる」


 前を進んでいると、アルフォンスが不自然な草の動きに気づいたようで、その場で止まるように声をかけてきた。私はもう少し前からグラスウルフのことを感知していたけど、単体だったのでギリギリまで伝えずに放置していた。気配を感知した訳ではないけど、周辺の異変に気づいたことは合格かな。


「グラスウルフが一頭だね。盾を構えて突撃に備えて、こちらから仕掛けずに、相手の攻撃を受け止めてから反撃するんだよ」

「「了解!」」


 指示を出すと、4人は盾を構えてグラスウルフの攻撃に備える。場所を特定できれば先制攻撃を仕掛けるのが正解だけど、その術を持たない者には相応の戦い方をしてもらう。


『ガサガサ、バサッ!』

「グルァア〜!」


 草をかき分けグラスウルフが突然現れて、リオネル君に向かって襲い掛かる。


『ガゴッ!』

「くっ、うわぁっ」


 覚悟を持って盾を構えていたはずだけど、初めて魔物との戦いで相手の圧に押されたのか? 踏ん張りきれずに押し込まれてそのまま倒れてしまった。


「まずい……、リューネ」

「お任せを!」


 盾で頭はガードできていたので、鋭い牙で噛みつかれることはなかったけど、グラスウルフの左前脚が腕を掠めたことで傷負ってしまった。私は咄嗟にリューネへ声をかけたの。


「っ……」

「リオネル!」


 マルクセスは、リオネルに跨るグラスウルフの背後を槍で一突きすると『ギャウン』と声をあげて、背後のマルクセスにターゲットを変えた瞬間、大剣を手にしたリューネが真横に振り抜くと、グラスウルフを真っ二つ切断して、合同演習での最初の戦闘が終了したのだった。

 


この作品を読んで【なかなか面白い】【続きを読みたい】と思われた読者様へのお願い。


・ブックマークの登録

・リアクションをポチッと

・評価の星をパパッと「★★★★★」


上記3つをして頂けると、作者のモチベーションが上がりますのでよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ