第2話 ルミナス教始動
§フランシスコ視点§
アリス様がルミナス神になると宣言された。このことで秘密裏に進めていたルミナス教の布教活動を、堂々と推し進めることが可能になった。
アリス様がお休みになったところで、王都の屋敷に居る者が全員集まって、今後の布教活動についての話し合いを始めた。多重演算のラファエル・ミカエル・ウリエルの御三方も参加して頂いたことで、離れた場所の眷属とメイドたちにも、この話し合いの内容は随時伝えることができる。
「まず、話し合いを始める前にルミナス神アリス様に祈りを捧げたいのですが、七神女神教の『セープタ』と言うのではなく、別の呼び方を考えないといけませんね。何かアイデアはありませんか?」
「私がアリス様に救われた時のことなのですが、その時に祖父を失ってしまい埋葬する時に、両手をこのように合わせて『ナーム』と口にされてました。この世界に存在しない言葉を使うのはどうでしょう?」
アリス様の最側近であるゼシカが、出会った頃のエピソードを語ってくれた。この世界にない言葉であれば相応しいのではないかと思ったが、そのまま使うのは少し抵抗がある。もうひと工夫欲しいと思っていると、マリアンヌが何気なく口ずさむ。
「ナーム、ナール、ナールー、ルーミナス」
「「それ!!」」
「「ルーミナス!」」
ゼシカ・アナ・リューネの3人が同時に反応すると『ルーミナス』の言葉を口にした。ルミナス教にルーミナスあまりにも安易な気がしたのだが、アリス様なら笑いながら『あはっ、面白いね〜』なんて言いそうなので、ルーミナスで良いか確認をする。
「ルーミナス、みなさんはどう思われますか?」
「単純明快で良いかと思います。何より、アリス様が聞いたら笑い飛ばしてくれそうですよね」
ミネバが賛成を口にすると、その場に居た者は『ウンウン』と頷いていたので賛成だと理解した。時間にして10分程度で祈りの言葉が決まったので、早速アリス様へ祈りを捧げることにした。祈りを捧げるスタイルは両手を握りしめるのでなく、ゼシカが言っていた両手を合わせるものとして祈りを捧げる。
「自由を愛する我らの神、ルミナス神アリス様に祈りを捧げましょう。ルーミナス!」
「「ルーミナス!」」
祈りを捧げたあとは布教活動について話し合った。ルミナスの森では大体的に教会を建て、ルミナス教の聖地とすること。それ以外の布教の拠点はユーザニア市とした。ユーザニア伯爵は火竜討伐の1件を機にアリス様のことを信仰しているので、布教活動に手を貸してくれると確信しているからだ。
「みなさん、明日からは本格的にルミナス教の布教活動を行いますよ。ルーミナス!」
「「ルーミナス!!」」
遂にルミナス神アリス様を全世界に知らしめることができると思い、その喜びを噛みしめたのだった。
この作品を読んで【なかなか面白い】【続きを読みたい】と思われた読者様へのお願い。
・ブックマークの登録
・リアクションをポチッと
・評価の星をパパッと「★★★★★」
上記3つをして頂けると、作者のモチベーションが上がりますのでよろしくお願いします。




