第11話 傷を癒やす
私は、傷を負いながらも角兎との戦いに勝利する事が出来た。たった1回だけ角兎の刺突攻撃を躱しただけで、スキル【体術】を習得する事が出来た事を不思議に思うと、〘並列思考〙さんが説明をしてくれた。
『アリス様、角兎との戦いで刺突攻撃を躱した時に、身体を動かしてが躱す行動を〘天才〙が理解した結果、スキル【体術】を習得する事に至りました』
〘並列思考〙さんもそうなんだけど、ガラガラポンで引き当てた唯一スキルって、本当に有能過ぎると思うわ。
そのあと、私は足の痛みに耐えながらなんとか大樹にたどり着いたんだけど、緊張感が解けた事で足の痛みが激しくなった気がした。
「っ、この痛みは辛いなぁ……」
私って癒しの魔法をまだ持ってないから、傷の治療は直ぐには出来ないのかな? このまま激痛が続くのは嫌なので、回復ポーションとか作れないのかな? なんて考えていると〘並列思考〙さんがアドバイスしてくれたの。
『アリス様、周辺の草葉を鑑定してください。回復ポーションの素材となる物が見つかると思います。素材さえ入手できれば〘天才〙と〘万物創成〙をリンクさせる事で回復ポーションが作れます』
私は〘並列思考〙さんのアドバイスを聞いて、大樹周辺の草葉を鑑定し始める。次々と鑑定して行くと色々な種類の草葉があったの。その中には回復ポーションに必要な素材もあったので、〘並列思考〙さんが教えてくれた。
『アリス様、【薬草】と【光樹の葉】が回復ポーションの素材になりますよ』
おぉ!素材が2つも見つかったよ!
この素材から何が作れる回復ポーションってどんなものかな〜? なんて考えていると〘並列思考〙さんが透かさず教えてくれた。
『アリス様、薬草からはハイポーションを、光樹の葉からはフルポーションが作れます』
取り敢えず傷を完治させたいので、ハイポーションではなくフルポーションを作る事にした。でも、どうやって作るんだろう? と思うと当然のように〘並列思考〙さんが答えてくれたのだった。
『アリス様、手に光樹の葉を持ちながら、フルポーション創成と唱えて頂けば、すぐに作成する事ができますよ』
私は言われた通りに手に光樹の葉を持って、フルポーション創成と唱えてみた。
「フルポーション創成!」
創成を唱えると、完成したフルポーションが手の上にのっていた。液体かと思ってたけど意外な事にタブレットタイプだったの、私は直ぐに口に含んで食べてみると『すぅ~』と感じるとともに、右太腿の痛みと傷は完全に消えて完治したのだった。
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