閑話 ルミナス教 誕生
アリスの知らないところで怪しい企みが……
アリスの従者である三姉妹の提起により、主には内緒でラウンジに集まり会合を開いた。
会合の参加メンバーは、ゼシカとアナとリューネの3姉妹に、メイドからシオンとナナイの2人が、守衛からはアマンダとシェリルの2人に、眷属からイリスとクリスの合計9名だ。
アリス抜きで会合を開いた理由は、大司教フランシスコから現人神であるアリスを、もっと崇めるべきだと進言を受けたからだった。この日は信仰する者のみが、身につけるアイテムについて話し合っていった。
「ゼシカ様、やはりネックレスだという案が多いですね」
シオンが家令全員から取ったアンケートの結果を、会合の座長を務めるゼシカに伝えると、頷いてから全員に向かって話し始める。
「常に身に着けることができることが可能な、ネックレスという案が多いみたいですね。それで、ネックレスのシンボルマークについてはどんなものが良いかしら?」
ゼシカが身につけるアイテムについて、シンボルとデザインを尋ねると、シオンが手を挙げてから応える
「アリス様は七神女神様の全てより加護を授かっておられます。デザインについては七芒星がよろしいかと思います」
シオンのアイデアを聞いた全員が、感嘆の声をあげたのだった。
「「おぉ、素晴らしい!」」
「七芒星模様のネックレスとは素晴らしいアイデアですね。アリスを象徴する七芒星のネックレスを身に着ければ、アリス様がご不在の時も常に共に居ると感じることができます。最上の幸福ではありませんか!」
「「おぉ~!」」
シェリルが常にアリスを感じることがてきると言うと、全員が感嘆の声をあげた。
ゼシカは、良いことを言ったシェリルへ、微笑みながら話しかけた。
「シェリル、あの日の奇跡を境に、あなたのアリス様への信仰心には感心するわ」
「この場に居る者以外も、あの日の奇跡を境にアリス様への信仰心に目覚めましたからね」
シェリルが両手を胸元で握りしめながら答えると、アナがネックレスの作成について口を開いた。
「ネックレスを作成するとして、宝石商に作成依頼をだすの?」
「えっとね、ネックレスの素材が決まれば、ボクとクリスで作っちゃうよ」
イリスとクリスがネックレスを作れると言うと、ゼシカは驚きながら2人に話しかけた。
「イリスとクリスはアリス様と同じ〘万物創成〙が使えるの?」
「アリス様のスキルは全て使えるよ。ただ、僕たちの能力はアリス様の半分だから、あまりハイスペックな物は求めないでね?」
「それは問題ありません。アリス様の半分の能力ともなれば、国宝級の物が作れるはず。残すはネックレスの名称ですね」
「ゼシカ姉様、それについては問題ありませんよ。大司教様がネックレスなら【光輝の鎖】が良いだろうと言われてました」
アナが大司教から信仰アイテムについての案を聞いていたようで、伝えられていた名称を教えてくれた。
「「流石はフランシスコ様ですね」」
「ふふっ、もう1つ提案を頂いたのですよ。アリス様を信仰するなら必ず必要になるだろうと言われ、光に満ちたという意味が有る【ルミナス神】の名を提案されました。まさにアリス様を名に相応しいと思いませんか?」
「「おぉ、ルミナス神アリス様!」」
こうしてアリスの知らぬ間に【ルミナス教】が誕生したのだった。
これから先、【ルミナス神アリス】の奇跡の力で【拒絶の森】を開発することにより【ルミナス教】は信徒を増やし【七神女神教】をも超越する神と成るのは、まだまだ先の話である……
第二章 異世界転生 出会い編 完
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