第10話 初めての戦闘
木陰から突如現れた物それは白い兎だった。
普通の兎なのかな? なんて思うと〘並列思考〙さんが兎の正体を教えてくれた。
『アリス様、あの生物は角兎という魔物です。低級モンスターではありますが、素速い動きから繰り出される鋭い角による刺突攻撃は、油断するとかなり痛い目に合いますので、十分な注意が必要です』
うん、生まれたばかり0歳児である私には、この角兎という魔物はかなり危険な生物かも知れない。それでも食料の確保は必須だから、生きる為にも気合を入れて戦ってみる。
でもさ、実際に戦うといってもどうやって戦えばいいのかな? なんてと思うと〘並列思考〙さんが的確なアドバイスをしてくれた。
『アリス様、先ずは木に背を向けて立って下さい。角兎が刺突攻撃を仕掛けてきたところを躱せば、角兎の角が木に突き刺さる事があります。角が刺さってる隙をついて光魔法の〚光弾〛を放ってみて下さい。当たれば確実に倒せるはずです』
私は〘並列思考〙さんの指示通りに行動すると、見事に角兎を倒す事が出来た! なんてうまい訳にはいかなかった。初撃の刺突を躱しきれずに、角が右太腿を掠って傷を負ったの。
「くっ……あぁあああ!」
右足に信じられない程の激痛が走った瞬間こう思ったの。
『やばい!』
激痛の為に思ったように体を動かせない、この状態では次の攻撃も躱し切れないかも? そう思った私は『落ち着け私!』と自分に言い聞かせると、しっかりと角兎の動きを見極めて、刺突を躱す事を意識してイメージをする。
すると、角兎は先程と同じように突撃攻撃を仕掛けてくる。イメージ通りの動きをする角兎を冷静に見極めながら咄嗟に躱した。
『ガツン!』
無事に角兎の攻撃を躱せたので、すぐに背後の木を確認すると、木に角が突き刺さった角兎が『バタバタ』と必死に動いていた。
この隙を見逃さずに光魔法を放つ。
「お願いだから当たってよ〚光弾〛!」
私の放った光の弾丸が角兎の身体に直撃すると『キャウ……』という声を漏らしたあとに絶命した……、
「ふぅ、何とか勝てたんだね……」
倒したことに安心して独り言を口にすると、〘並列思考〙さんが語り掛けてきた。
『アリス様、角兎の攻撃を躱した事で、〘天才〙が動作を理解したことでスキル【体術】を習得しました。おめでとうございます』
うん、攻撃を躱しただけでスキル【体術】を習得出来たよ。本当なら喜ぶところなんだけど、そんな事よりも角が掠った太腿が痛くて仕方ないんだよね……
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