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第六話

今日は第二話からまとめて投稿しています。

ご覧になっていない方は戻って読むことをおすすめします( ˙-˙ )


「ああ、昨日のお嬢ちゃんか。すまないが、君には売れない。」

「どうしてですか!わたしにはそれが絶対に必要なんです!!」


可愛いピンクのショートヘアに、庶民が着る伝統服。くりっとして輝いた瞳に妖艶な肢体、ぶり声の・・・


ヒロイン、ベリアナ。


平民→新興男爵の養女 となるため、まだ姓は無いし、かつては伯爵家だった私の子爵家よりもかなり格下。

この場ではわたしの方が身分が上だろう。


「すまないが、こちらのお客様の応対の方が先だ。少し待っていてくれ」

「でもっ・・・!」


わたしは明らかに貴族令嬢なのに、高圧的な態度をやめないヒロインを諌めるために仕方ないが身分を偽装して身分を振りかざす。


「ご令嬢、お名前はなんと?」

「わ、わたし?わたしはベリアナよ」

「わたくしはチェリア・シュペルダール。シュペルダール公爵家の公女ですわ。ベリアナさん、仲良くしてくださいな」

「こ、公爵家・・・」


少し前に、ミリアお嬢様にシュペルダール公爵家の公女、チェリア様に似ていると言われた。


チェリア様は身分を重視して、下のものに軽んじられることを嫌うお方だから、もしヒロインが今みたいに話しかけた途端に追い出されるだろう。

「まえに会ったことがありますよね!」だなんて言ったら相当の処分が下る気が・・・


「店主、ご令嬢は物事が分からないみたいだわ。追い出すついでに教師をつけてあげて」

「わかりました、チェリア様。・・・チェリア様のご命令だ。二度とうちに顔を出すな」

「えっ、でも・・・」

「ベリアナ、早く出ていきなさい。今日のわたくしは機嫌が良いのよ。機嫌が悪かったら、あなたの首はきっと繋がっていないわね」


「っ・・・。・・・地位の乱用です!運良く貴族に生まれただけで、わたしとなにも変わらない人間じゃないですか!それなのに、苦しんでいる民を見殺しにするんですか!!」


ヒロインが言っていることは正しい。

でも、それでも主張の穴を見つけて論破して相手を黙らせるのが・・・チェリア・シュペルダール!


「運も実力のうちよ。というか、あなたに高い毒が買えるほど経済的余裕があるのかしら?それに、対象になる人がいないでしょう?だったら、わたくしが性格が腐った貴族たちを洗脳して税金を下げて差し上げるけれど・・・?どうかしら、平民さん。」


「・・・わかりました。じゃあ、シュペルダール家に誓ってもらえますか?」

「・・・わたくしを疑っているの?」


「いえっ!ただ、保証というか・・・」

「いいわ、誓ってあげる。・・・チェリア・シュペルダール、貴女との約束を、シュペルダール公爵家の名にかけて誓う!」


誓った途端、ベリアナは満足して帰って行った。

・・・しつこいほど念押ししながら。


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