第二話
新作の第二話〜
「ミリアお嬢様、お時間です!」
「今行くわ」
わたし18歳、ミリアお嬢様は14歳まで育った。
最初の3年間はわたしが礼儀作法、交渉術や護身術、魔術などを徹底的に教え込んだ。
その後国内最高の教師を呼び国政や外交についての授業を受けて頂く日々が5年続いて・・・
ミリアお嬢様は完璧な淑女へ成長した。
純粋で天使のようになった。
メイドたちからは重すぎるぐらい敬愛されている。
ベルディー公爵家の女神 と呼ばれるほど。
だから、ヒロインに負けない自信がある。・・・「魅惑の毒」を使ってこなければ。
そして、今日はミリアお嬢様の社交界デビューin王城 という名の夜会の日。
「リナ、お城までついてきて・・・」
「申し訳ありません、お嬢様。わたしはただの子爵令嬢ですから・・・。もう少し上位貴族のメイドをお呼びいたします。」
王城で行われる夜会、馬車に乗るだけだとしても、子爵令嬢は・・・。
せめて伯爵家出身のメイドだ。
「ううっ・・・リナじゃないと嫌!」
「お嬢様。わたしも行きたい気持ちは山々です。ですが、仕事が残っているのです」
「・・・。」
「ミリアお嬢様が夜会にいらっしゃるとき、わたしも仕事を頑張っています。離れていても、心はずっと隣にいますわ。ミリアお嬢様。安心して行ってらっしゃいませ。」
「・・・わかった。行ってくるね」
この夜会で、ランダムの攻略対象と悪役令嬢のバッティングイベントがある。
ゲームのミリアお嬢様は教養不足で悪印象を与えていたけど・・・
年相応な可愛さが少し残っているだけで、中身はしっかりしているから、大丈夫なはず。
それに、何かあってもなんとかなるさ。
そしてわたしは・・・