魔法青年~~!
魔法モノって書いてみたくなりません?面白そうですけどこんがらがりそうであんまり手を出すことができないんですよね。
「私の手を取って、魔法戦士にならないか?」
「嫌です」
……………………。
「こういえばよかったんだろうなぁぁぁぁ」
そんな男の叫び声がこだまする。
ここは戦場。この男初めての「戦士」としての活動である。
ある日の昼下がり。男は考え事をしていた。
「早く授業終わらないかなぁ」
何事もない。一般的な男子高校生の何気ない考え事に過ぎないのかもしれない。
ただ一人、この男の考えていることの方向性は違うものだったらしい。授業後に男はため息をつきながら独り言を言う。
「学校終わらせて、仕事も終わらせて、自由な時間を作らないとな」
「お前バイトしてんの?この学校は禁止だぜ」
横から声をかけてくる人がいる。この男の友達らしい。
「いやぁ、今月お金に困っててさ…………。」
「またかよ、いっつもお前金欠だな」
「ま、俺も裏でバイトしてるからいいけどさ」「お互いさまってことで」
そういって友達らしき男はどこかに行こうとした。去り際に振り返って、
「今度いいものがあったらおまえにも紹介するわ」
と、笑いながら立ち去った。
そのあとで男は友達にありがたい存在だな、なんてことを思いながら一人で考えることに戻る。それは、今日登校中に出会ったヒト語をしゃべる犬についてだ。