第3話 オタクのクリスマス
俺は三宅正保。オタクだ。そして、アパートの一室でアニメを見ていた。
また、アニメでクリスマスを過ごしている。主人公がモテて、女の子に囲まれている。俺はテレビに向かって。
「俺も入れろよ」
と怒鳴っていた。主人公はズルい特に異世界ものの主人公。俺だって異世界行けばモテるから。中学のころからいい事がなかった、主に女子方面は。ただ、それなりの高校に入り、超高偏差値の大学に入り、いい会社のいい立場に立った。なのに、女性との絡みがほとんどない。
顔も特別変ではないし、性格もいい、服装が少し残念なだけ。太ってもいない。服だけでこんなモテない事あるか?
「腹減ったー。飯買いに行こう」
俺はそう呟くと、コンビニに行った。冬の夜風が心までも冷やして行く。温まりたい。俺はコンビニで、温かいコーンスープと海老天の乗った天ぷら蕎麦を買った。
「あら、冷えてしまってるようね。コーンスープの妖精の私が温めてあげるわ」
声の方を見ると凄くグラマラスな体つきの女性がいた。なお、手のひらサイズだ。
「貴方は仕事も今までも頑張ってきた。お疲れ様。ゆっくり息抜きをしつつ、頑張ってね。きっと側に妖精がいるから」
そういうと女性は消えてしまった。飲んでいたコーンスープが少ししょっぱくなったのはなぜだろう。
イルミネーションは僕にでさえも微笑んでくれた。