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3-16 一段落?
「サ、サラっ!」
教室で彼女の姿を見かけた勇斗は、床に散らばっている瓦礫を踏みしだきながら慌てて彼女の元へと駆け寄った。
教室の天井は落ちてしまっており、床は瓦礫だらけになっている。その丁度真ん中あたりにサラは横たわっていた。、
すぐにサラの体の状態を確認したが、これといった外傷はなく、ただ眠っているだけのよう見えた。眠っている場所がこんな場所でなかったら、単純に睡眠を取っているようにしか見えないくらい、穏やかな寝顔を浮かべていた。
とにかく一度起こしたほうが良いだろうと思った勇斗は、サラの肩を揺すってみたが、彼女からの反応はなかった。
「ねえ勇斗くん、ちょっと待って」
そう言うと、リンカは勇斗を制したサラの額に手をかざした。
「うん、サラちゃん、本当に眠ってるだけみたいだね。だけど――」
「だけど……?」
「魔法で眠らされてる」




