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2-17 決闘? 開始
勇斗が出発して、バジルは五百まで数を数えた。
「そろそろいいか……」
バジルは肩を回しながらつぶやいた。
出発する前に周囲を見渡して見るが、近くに勇斗の気配はなかった。
(どうやら、近くに隠れて奇襲、ということはなさそうだな……)
冷静に分析したバジルは、獲物目がけて駆け出した。
獲物を狙うハンターのような目つきで、バジルは森の入り口から森に入った瞬間、いきなり道から外れて長く伸びきった草むらの中を進み始めた。
「がんばってねー」
その姿を見て、木の幹に立てかけられているホープがバジルに声をかけたのだが、その声は当然バジルには届かなかった。