表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷い人  作者: ぴえ~る
第二章 不吉な予兆
32/83

2-10 男の決意

 勇斗が帰った後、リヒトは生活感のない自室で、勇斗に配達してもらった木箱の中身を確認していた。

 蓋を開けると、そこには中のスペースを目一杯使って、教会の女神を形取った石像が寝かされていた。

 送り主は、隣町の教会だ。

 さらに女神像の隣には、ナイフよと呼ぶには少し刀身の長い短剣が置いてあり、リヒトはその短剣も木箱から取りだした。

「もう二度とあの悲劇は繰り返さない。迷ってはいけない。疑わしき者には罰を」

 短剣を胸の前で握りしめて、迷いを振り切るようにつぶやいた。

「…………」

 ふうーっと一息つき、短剣を床に置くと、今度は女神像を床に立たせる。

「神様、私を、いえ、村の人たちをお救いください」

 石像の前で膝をつき、両手を合わせる。

 リヒトの眼前で、リヒトを見下ろしている女神像はどんなことにでも動じないかのように、心底穏やかに、そして、すべてのものを包み込むように優しく微笑んでいた。

 当然、女神像からの返答はなく、リヒトの部屋は静寂に包まれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ