この元気でちょっと寂しがり屋の美少女
「雅弘ーー。起きないと遅刻するわよーー。」
母が1階から毎日のように言ってくるこの言葉。
僕にとってのちょっぴり特別な一日は、こうして始まったのだった。
ザザザザーーっとカーテンを勢いよく開ける。
すると、強烈な朝日が僕の目に侵入してきた。
「まぶしっ。」
僕はそう言うと思わず目をつぶってしまう。
10秒ほどしてから、恐る恐る目を空けてみると、目の前に雲一つない晴天が映し出された。
「くーーっ。いい天気だなーー。」
そう言ってその場で、ぐーーーっと背中を伸ばす僕。
少し下を見れば、おじいさんが犬を連れて散歩をしているところが見えた。
杖を突きながら、1歩1歩慎重に、という感じで。
犬のほうもそのスピードに合わせているような感じだ。
正直、犬がかわいそうになるほどにのろかった。
もし僕が犬なら、あんな主人はごめんだな、そう思った。
その後ザッと辺りを見回してみる。
でも今のところ、そのおじいさん意外に人は見当たらなかった。
いやはや、これで通学中の高校生でも見えたらどうしようかと思うとこだったぜ。
そんな風に思いながら、くるっと回転し、ベットのわきを通り抜けて、タンスへと向かう。
なにしろ今日は、僕、今西 雅弘の初めて高校に行く日。
要するに、始業式なのだ。
いくら県内で、少し下のほうの高校だとはいえ、さすがに初日から遅刻はまずかろう。
まあそんな感じのため、朝から母に起こされた僕は、若干焦ってはいたのだ。
起こされた瞬間に時計を見たら、まだ6時半だったので絶対大丈夫だとは思うが、もしもの可能性がないわけでもないからな。
例えば、誰かの陰謀で僕の時計が狂わされていた、とかの場合なんかがそうだ。
「うっし。着替えっか。」
僕はそう言ったのち、タンスを開けるとそこから制服を取り出した。
新品の制服は、ツルツルとしていていい手触りである。
そして、取り出した制服をとりあえずベッドの上にボスンと落とすと、おもむろにパジャマを脱ぎだした。
雅弘君の生着替えの始まりである。
だから何?って感じではあるけどな。
その後、特に何の問題もなく、パジャマから制服に着替えた僕は、机の上の鏡を見ようと思った。
そこで、目の前の机をスッと避けようとしたところで、思いがけないトラブルに遭遇してしまったんだ。
その時のことは今でも忘れることはできない。
まず、俺はタンスに背を向けて右足、左足と交互に1歩ずつ前に進んだ。
ここまでは良かったんだ、だが……。
次に、僕はそこで何を思ったか、カッコつけてベットの上を飛び越えていこうとしてしまったのだ。
普通にベッドの横を通り抜ければ良かったのによ。
その時、僕は制服を着ていた。
けど、そのことを僕自身が忘れていたんだ。
要するに僕は、いつも着ている足の曲がりやすい半ズボンの感覚で地面から飛び立ってしまったというわけだ。
それでも、左足は何とかなったんだ。
だが、右足はそうはいかなかった。
かわいそうな僕の右足は、ベッドの魔の手につかまってあえなく角にぶつける羽目になってしまった。
それも足首より下のほぼすべてだ。
その後、当然のように右足だけではなく僕自身にもその魔の手は襲い掛かってきた。
空中で、前へ大きく伸びてしまった僕の体は、その伸びきった体制のまま、目の前の椅子にダイブしたのだ。
そして、そののちしばらく僕の断絶間が家中に響き渡った。
その断絶間は、とてもこの世のものとは思えないほど、痛々しいものだったという。
どうも始めまして、雅弘と申します。
今だ中3のバリバリ学生です。
時間あるときにちょくちょく書いていくつもりですので、よろしくお願いします。
後ぜひとも感想をください!!
お願いします!!