表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と彼女の変態日記  作者: 水月さなぎ
7/21

3月21日 ロリ萌えぱんつ

 そのはが学校終わるのを待って、僕達は本屋巡りを開始した。

 いや、したくないんだけどね。本当は。だってロリ萌え本探しだし。

 僕達の住んでいる街には徒歩圏内で3軒の本屋がある。

 一番最初に向かったのは中心市街地の大型店内にある『ジャンク堂書店』。本ではなく別の物が売ってそうな店名だと思う。

 ジャンク堂書店に向かう途中、そのはは制服姿のまま、ぶちぶちと文句を垂れていた。

「まったく! なんで期末テストも終わって悠々自適な3学期後半にいきなり抜き打ちテストなんかされなくちゃならないのよっ! しかも5科目フルセットで!」

「ああ、そういえば僕の時もあったな、そういうの。3年生のクラス編成の参考にするんだろ?」

「クラスなんてどこでもいいよっ! なんで春休み前にこんなに気分悪くならなくっちゃいけないのよっ! せっかく今日はあや先輩をロリ道に目覚めさせるべくあれこれ考えてたのに!」

「…………」

 もしかしたら僕は抜き打ちテストに感謝するべきなのかもしれない。少なくともテストのおかげでそのはの思考回路の大部分はロリ道覚醒から遠ざかったはずだ。

「でもそのはなら抜き打ちでもそんなに悪い点は取らないだろ? そこまで腹を立てる必要はないと思うんだけど」

「でもいきなりは困る。クラス編成の参考にするなら尚更、下手に進学クラスとかになっても面倒だし」

「進学クラスに行きたくても行けない人間に聞かれたら怒られそうなセリフだなあ。で、手ごたえは?」

「9.8割方は問題なく解けたけど。もうちょっと手を抜いてもよかったくらい」

「…………」

 人種が違うなあ。テストで手ぇ抜くとかいったいどんな嫌味だよ。

「あーあ。進学クラスにはなりたくないなぁ」

「なんでだよ」

「だって補習とかあるんだよ。出来が悪くて補習するって言うんならわかるけどなんで出来がいいのに補習なんてしなくちゃならないのよ!」

「ああ。そう言えばあったな。特別補習。僕は受けなかったけど」

「うん。あや先輩にはきっと縁のない話だよね」

「その通りではあるんだが、わざわざ言うほどのことか?」

「わざわざ言うほどのことだよ」

「ほほう」

「おもにストレス発散のために」

「僕で発散するなっ!」

 いつかその口にチャックをしてやりたい。


 ジャンク堂書店到着。

 興奮気味にロリ本を物色しているそのは。その横を歩く僕はできれば他人のふりをしたかった。しかしそのはが、

「ほらほら、これなんかおススメだよ。パンチラ描写が多いのがポイント高いし!」

 などと腕をぐいぐいひっぱって進めてくるのでそれもできない。

「…………」

「あれ? ノリ悪いね、あや先輩。パンチラ好きじゃない?」

「大好きだ」

「だよねっ!」

「でも女子に、しかも彼女にパンチラ本を勧められるというのはなんか微妙」

「え~。それって性差別だよ~」

「そうか?」

「そうだよ~。性別を理由に制限をかけるのは何であれ性差別だと思う。女性がたばこを吸うのはあまり好きじゃないとか、女性が料理のひとつもできないのはみっともないとか。偏見に満ちた性差別だよう」

「う~む。確かに女の子だからっていう理由だけだとそんな反論をされても仕方がないか」

「そう! 女の子だってロリ萌えたい! 美少女萌えたい! BL萌えたい!」

「分かった。分かったからちょっとテンション下げてくれ。僕はまだそのはほど他人の視線に対して開き直れない!」

 拳を固めて力説するそのはを、周りの人たちが見ている。可哀想なモノを見るような、関わり合いになりたくない人種を見るような、そんな目で。

 僕にできることはそのはを宥めることくらいだ。いや、黙ってもらうよう交渉することくらいかな。僕が何かを言ったくらいで黙るようなそのはではないだろうけれど。


 その日はパンツ全開の小学生低学年の女の子が魔法少女っぽく杖を構えている本を購入した(させられた)。少女というより幼女な外見だ。それが狙いっぽい絵だけど。

 しかし、まあ、読んでみると結構面白いし、可愛いというか……。

 やばい。幼女萌えに目覚めそうだ。

 パンツはともかくとして。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ