3月20日 幼女のパンツは新世界?
『やっぱりブルマーとスクール水着は萌え文化の至宝だと思うわけよ』
「…………」
その日の電話によるそのはの第一声はこんな感じだ。いい加減もう慣れた。
『さすがに自分で穿いたり着たりするのは嫌なんだけど、でも可愛い女の子がハーフパンツや普通の水着を着ているのを見ると、やっぱりがっかりするわけで』
「自分は嫌がる癖に他人には着て欲しいのかよ」
『だって自分で着ても鑑賞できないし』
「鏡とか見ればいいんじゃないか?」
『鏡に映った自分を見て萌えるって、ただのナルシーじゃない』
「そりゃそうだ」
『あや先輩ノリが悪いなぁ』
「すまん。どう対応するべきかちょっと悩みどころでさ」
『思うままのことを口に出せばいいと思うよ』
「それだと、この変態、しか出てこないんだが……」
『変態上等!』
「いや、開き直られても……」
『ちなみにあや先輩は巨乳派? 微乳派?』
「……普通派。あんまりありすぎても見栄え的にどうかと思うし、あんまりなさすぎても楽しめなさそうだ」
『ふむふむ。また堅実な返答ね。ちなみに私は微乳派。微乳は美乳! って感じで。やっぱり萌えは大人よりもロリに発揮されるべきだと思うのよ。ロリな外見だったらやっぱり微乳が合ってると思うし。幼女も将来性を考えると捨てがたいかな~。んでもって幼女のパンツはもちろんプリントパンツ! 幼女がレース地のパンツなんか穿いてたら何か裏切られたような気持ちにならない?』
「……そもそも幼女のパンツについて思考を巡らせたことがないんだが」
『ええっ? 何考えてるのよ馬鹿じゃないの!? 幼女ほど無防備で都合の良い存在はないでしょうがっ! 思春期少女と違ってスカートの下に対する警戒心なんてゼロに等しいからちょっとした拍子で中が覗けるという美味しいシチュエーションがたくさんあるのに! 幼女のプリントパンツに和まない奴なんて人類じゃないっ!』
「……その定義だと人類の大半は人類でなくなってしまうと思う」
『うむむむ。仕方がない。あや先輩には幼女萌えの概念を基本から叩きこむ必要があるわね……。今度一緒に本屋に行こう! 現実で幼女のスカートとか覗きまくったら犯罪だけど2次元なら何で萌えても文句を言われる筋合いはないからね。私があや先輩用にロリ萌え本をチョイスしてあげる!』
「……されたくないなぁ」
『大丈夫大丈夫。遠慮なんてしなくていいから♪』
「いや、遠慮じゃなくて切実な感じで……」
『私があや先輩を新世界に目覚めさせてあげる』
「目覚めてはいけない世界のような気が……」
結局、そのはに押し切られる形で本屋巡りが決定した。
一般書店でロリ萌え本を漁るカップルの図を想像して、ちょっとだけがっくりとなった。