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僕と彼女の変態日記  作者: 水月さなぎ
18/21

4月8日 これからも続いていく日常

最終話であります。

頑張って変態少女を描いてみました。

全然変態じゃないよって思う方がいたらごめんなさい。

これが精いっぱいであります。

 自分の気持ちが若干形になってきたところで、原点に振り返ってみることにした。

 今はもうボタンをほとんど剥ぎ取られてしまった制服を着る。ズボンだけはジッパーを開けたまま外を歩くわけにはいかないので、もう1本のズボンを穿く。

 家を出て、向かう先はもちろん、西陵中学校。

 そのはと出会ったあの場所へ。


 校門は半分だけ開けられていた。春休み中なので登校してくる生徒はいないけれど、部活動にいそしむ生徒は結構いるらしい。僕は帰宅部だったので部活動が春休み中にも盛んに行われていることは知らなかった。

 半分だけ開いた門を抜け、下駄箱前の広場に向かう。

 そのはに出会った場所。

 そのはにジッパーの金具をむしり取られた場所。

 そのはと付き合ってみようと、決めた場所。


「…………」

 そこにはやはり、そのはがいた。

 僕と同じように、あの日と同じ制服を着たまま、ぼんやりとその場に佇んでいる。

 僕はそんなそのはに声をかけられず、ただその後姿を眺めていた。

 するとそのはの方が僕に気付いたのか、ゆっくりと振り返った。風にたなびく長い髪を指に絡ませながら、僕の方を見る。

「やっぱり同じこと考えてたんだね、あや先輩」

 そのははどこかうれしそうだ。

「そうみたいだな」

 そして僕もうれしい。

 このタイミングで同じ場所に二人がいたことが、答えのような気がするから。

「答えは出た?」

「ここにそのはがいたってことで、より確信した」

「そうだね。私もあや先輩がここに来たら、私たちは同じ気持ちでいるんだって思ったのよ」

 同じ気持ち。

 同じ迷い。

 あやふやなままだけど、それでも手を伸ばそうと思える。

 それが答え。

「誰よりも好きだ、なんてまだ言えないけど、そのはがいないと寂しい。この数日で分かったことはこれだけだ」

「うん。私もおんなじかな」

 お互いがいないと、さみしくて、物足りない。

 一緒にいると、うれしくて、幸せ。

 小さな答え。

 だけど確かな1歩。

「きっとこれからなんだと思う、僕達は」

「うん」

 なんとなくの関係はまだ続くけれど、いつか胸を張って誰よりも好きだって言える日が来るかもしれない。


 こうして僕は改めてそのはと付き合うこととなった。


 オチとしては……

「ちょっとー! 何で違うズボン穿いてるのよーっ!」

「はあ!? あんなの着て外歩けるわけ無いだろ!」

「折角上着めくって小窓から垣間見えるパンツを期待していたのにどうしてくれるのよーっ!」

「んなもん期待するなっ!」

「こうなったら脱がしてやる!」

「やめろーっ!」

 色々と台なしにしながらも、まだまだ彼女の変態に付き合う日々は続きそうだ。

 だけどそれが少しだけ楽しいと思い始めた僕は、かなりヤバい領域に足を踏み入れたのかもしれない。


 これは、春休みの間に繰り広げられた僕と彼女の日常の一部だ。



挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


最後にキャラクターのイラストを載せてみました。

そのはちゃん、綾祗くん、そのはちゃん、たつはお兄ちゃん、の順番です。

終わりました。

短かったようで長かった春休みの間のお話です。

しかも現実と時系列を合わせてみたので毎日更新したりと結構大変でした。

でも楽しかったです。

またの機会がありましたらよろしくお願いいたします。

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