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回想録

見られてる…?見られてるよね!?…この視線の先をたどったら負けだ!!心を無に!!私は風になる!!


集団に近付くにつれ、何となくだかアタシの勘が働く。関わるな、と。

いや、誰でもそう思うんですけどね。だって格好がファンタジー。えっ剣の小道具まで装備? なんて関わらないと思うんですけどね。

但し、問題が。声をかけられた場合どうやって切り抜けるべきか…。道や捜しものなら良いよ?わかる範囲でお答えしましょうとも!だが、しかし! 『お姉ちゃんオレ等金欠でさー』とか『神は今貴女に願っています』とか言われたらどうするのさ!!5対1なんて火を見るより明らか!ちっくしょう、何で引き返さなかったアタシ!不精にも程がある!五体、次いでに精神も満足な状態でハウスしたいんだ!煎餅片手に寝転びながら印籠出てくる瞬間(再)を観たいんだ!!

――なんて現実逃避しながら無事横をつうかした。ただ、

「あのっ!!」

背中は無事ではなかったが。

アタシ以外歩いている人を見掛けなかった。でも淡い期待を胸に、 後方の人に声を掛けたのだろう。そうだよ、きっと。うん。

とそのまま歩き去ろうとすると―ポンポン―肩を叩かれたのでした。せめて命だけはお助けを。

「ハイ、なんでしょうか?」振り向けば、水の髪を綺麗に結い上げた美少女がおりました。 先程見た3人の中で見なかった色に チラッと、集団に目線だけやるともう一人、先程見掛けなかった男性が居た。先の2人の男性より低めの身長ではあるが、2人が高すぎるのか男性が低いすぎるのかは分かりかねる。

「あの、いきなり呼び止めてすみません。ちょっとお聞きしたいのですが…あたし達気づいたらここにいて…」

「いいえ、お気になさらず。この辺り初めてですか?仕方ないですよ、地元人でも迷いますから。気付かずにここまでたどり着いちゃうのも無理無いですよ」

“にっこにっこ”例えるならばそんな笑顔。愛想笑いが得意な日本人ですから。道を尋ねるなら危険はナシ、早々に用件を片付けちゃいましょ。

「何処へ向かわれてたんですか?とりあえず、この道をまっすぐ、少し長いですが、ひたすら真っ直ぐ行って突き当たりを左へ曲がれば大通りに出ますから」

「あ…いえ、そうではなく、ここは何処ですか?」

「ここですか?***町の***の辺りですよ?」

「い…いえ…!!」

あれ、おかしいーなぁ。会話は成り立ってるよね?でも彼女の求める答えとは違うようだ。うむ、ここは。

「あー、こっちの道を真っ直ぐ行って二つ目の角を左に行けば右手に交番があるんで、そちらで色々訊かれると良いですよ。そこのお巡りさん親切でこの近辺じゃ頼りにされてるから、きっと何かしらしてくれますよ」

ごめん田中のおっちゃん。丸投げしたけど頼りにしてるよ、田中のおっちゃん。何せアタシが小学生の頃、何を思ったかとあるビルの屋上にある不思議物体を追いかけた末に宙ぶらりんになったところを助けてくれたヒーローだもんね!あとで話を聞かせてね田中のおっちゃん。

集団の方へと去っていく(きちんとお礼を言ってから)背中を中途半端に見送って家路へとむかった。まってて!黄門様!できれば銀ちゃんもアタシが帰ってくるまで脱がないで!!


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