表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

魔物との交戦

私達クラスメイト35人を引率するのは、騎士団長がよりすぐった3人の騎士さんたち。


ピオニー女騎士は、読心魔法で相手の意図を読んだり、思念伝達(テレパシー)魔法を使って混戦時でも味方の間の意思疎通を取り持てる紫魔法剣士。


魔法剣士のなかで最新の兵種だそうで、優梨(ゆり)と話してるとピオニー女騎士の名前がよく出る。紫魔法の弟子として慕っているようだ。


あとの2人、シャトルーズ騎士とベゴニア女騎士は騎士団の同期で、魔法を使わない生粋の剣士。ピオニー女騎士より数年先輩だという。


なにかの理由で以前はピオニー女騎士を仲間はずれにしていたけれど、最近、優梨が間をとりもって、騎士団長の前で仲直りさせたらしい。


アラザールの街の門を出て、()()()()一時間半くらい行軍したあたりで、薄暗い森に入り、空気がじとーっと湿っぽくなってきた。


先頭を進んでいたシャトルーズ騎士が立ち止まり、右腕をななめ下に伸ばして停止を命じる。


ピオニー女騎士からテレパシーで指示が伝わってくる。


<音を立てずに抜剣>


シャトルーズ騎士もベゴニア女騎士も、剣を抜いた。


後衛の生徒を中に入れた陣形で、剣士組のクラスメイトが周囲を囲む。


右手側の茂みが揺らいだ、と思ったら、赤茶色いかたまりが飛び出してきて、着地する前にシャトルーズ騎士が長剣で叩き伏せた。


反対側の茂みでも、ベゴニア女騎士が両手剣で2つの赤茶色の毛皮を着たモノを斬り伏せる。





この2人、さすが騎士団長さんのよりすぐりだけある。すごい反射神経だ。


「ツノギツネか、この季節に森に出ているのは珍しいな。こいつらは群れるから近隣の村に注意させないとな」


「これは魔物なんですか?」


シャトルーズ騎士の説明だと、ツノギツネは額のところに一本大きな角のついた魔物で、群れで森に近い村の家畜や家禽を襲う、ということだった。


「ラノベなんかだと、魔石とか素材とか取ったりするところですけど、どうします?」


支倉(はせくら)(たつみ)か、解体してる時間はねえぞ」


「じゃ、とりあえずこのまま回収しときます」


巽がそう言うと3頭ぶんの死骸がどこへともなく消えた。


「タッくん、何したの?」


「癒やしの聖女様よ、オレさまは青魔導士、時空魔法のなかでも、異空間にモノをしまう収納魔法はお手の物だぜ」


周りのクラスメイトからも


「支倉すごーい!!」


なんて声が上がって、幼馴染としてはすこしだけ鼻が高い。


「習ったばっかりで練習中だから、仕舞(しま)うことは出来るけど、出したいときに出せる自信、まだ無いんだよね」


私だけに聞こえるようにちょっと困ったような顔で言うのを聞いて、巽は昔のままだなあ、と思う。


2人の騎士さんは剣についた血を拭って、また先に進む。私達も遅れないようについて行く。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ