第6話
家政婦さんから話しを聞いた一週間後、私は母に連絡をした。噂、一日の生活スケジュールなど旦那様についてのこといろいろだ。
翌日返事が返ってきた。あまりいい噂がなかったらしい。しかも、私に家事をするよう押し付けたのは、街に出歩いて、自分の噂を聞かないようにするためだたらしい。控えめに言っても最低な方と知った。
そんな私は、家政婦さんに情報を共有した。彼女からのアドバイスで彼を一日尾行することにした。その日だけ家事のすべてを家政婦さんに任せ、私は変装をして、彼の行動を追っていた。
朝は、いつもと同じ感じで過ごし、執務室にこもった。隠し扉を使って彼がいる部屋の壁の中に入り、来客や話し声、足音を聞いていた。昼前ごろ、足音が窓の方向に向かっていった。すると、窓を開ける振動が伝わった直後。着地音が下から聞こえた。慌てて移動し、旦那様が下りたと思われる地点の近くの茂みに身を隠す。見えた。思ったより大胆な行動だった。着地地点に女の声がした。
「久しぶり!今日はどこに行かれます?♡」
「あぁ、キャスリン。今日も麗しいね。君はどこに行きたい?♡」
「そうですねぇ。私の働いているお店にでも行きたいですわ♡」
「そうか、では行こう♡」
語尾に必ず♡が付いている会話をしならが歩いて行った二人を追った。行きついた先は、家政婦さんの話にあった娼館。正気の沙汰を保てなくなりそうだ。さすがに昼間から堂々とここに入るのは、、、肝が据わってますね。しかも、形式上の妻に見られてるのに。
いろいろ考えながら、二人がでてくるのを待った。夕方になりかけたころ、二人は出てきた。相変わらず語尾に♡が付いた会話をしながら。会話までは聞き取れなかったが、雰囲気だけで伝わってきた。ちなみに、旦那様の着衣に少々乱れがあった。
この二人を見ていたら自分がおかしくなりそうだ。そう考えてバレないように屋敷へ戻った。
私が戻ると、普段はいない時間なのに家政婦さんが待っていた。家に帰ったことと、今日の結果を報告すると、私より怒った顔で私の味方をしてくれた。これが、嘘か本当かはわからない。でも、嘘だとしても、怒ってくれたことが嬉しかった。今日はもう解散し、また明日、何をするか話すことになった。
そういえば、家政婦さんの名前がなかったです。もし、名前を付けてほしい方がいたら、メッセージに読んでほしい名前を送ってください。主は考えるのが苦手なので(;´Д`)