第2話
第2話です。相変わらずまだなれません。ですが、精一杯書きました。楽しんでいただけますように。
旦那様は満足気にうなずいた後、必要事項の確認をした。
「まず、この家には使用人がいない。よって、其方に家事全般をしてもらうことになる。家事もしてもらうが、それに加えて当主の妻としての稽古も行ってもらう。稽古は外部で講師を雇っている。一日一時間だ。よいな」
「旦那様の仰せのままに」
「では今からよろしく頼む」
「はい」
この時の私は多分、世間知らずでこの家の以上に気づけなかった。だから、なんの疑問も持たずに、掃除道具を借りて床を掃き、厨房を借りて栄養満点の料理を作り、一日一時間の稽古を経て生活をしていた。特に旦那様とは夜をともにするなどなかった。ただ、業務連絡をして、お見送りをしてお出迎えをして。そんな生活が3年ほど続いた。特に私は不満を感じることもなかった。
そんなある日、床を雑巾で拭いていると腰が、ビキッ、と音を立てたような気がした。起き上がるのにも一苦労する痛みは、時間がたつとともに響いてきて、今日はとても家事ができそうにない。稽古は、座学なら何とか受けられそうだ。ただ、料理は今日作れない。旦那様に報告せねば、私はそう思い、旦那様の執務室に初めて足を踏み入れた。
「旦那様、職務中に申し訳ございません。少々お時間よろしいでしょうか」
「どうした」
「あの先ほど床を雑巾がけしていたら、腰を痛めてしまいまして。稽古は座学なら受けられそうなのですが、今日のお食事は準備できそうにありません。一日だけでも、市場のお惣菜でもよろしいでしょうか。私は今日、歩くことが難しいので、私の実家の母に買い物を頼むことになってしまうのですが、、」
「そうか、わかった。其方のお母上様には了承を得たのか」
「いえ、まだです。ですが、ここに嫁ぐ日、母は私に『体調を崩して家事ができないようだったら連絡しておくれ』と言われておりますので」
「そうか、わかった、其方に任せる」
「ありがとうございます」
たったこれだけの会話をとてつもなく長い時間のように感じたのは気のせいだろうか。とにかく、母に連絡をし、その日は市場の総菜を食べ、座学を受け、おとなしく寝ることにした。まだ、腰がだいぶ痛んだが、寝たら治ると思って。
この物語の連絡手段は基本は手紙です。ですが、私の家系は特殊で、基本的に鳥に手紙を結び、連絡してもらっています。